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奇怪な樹氷を形成する条件

氷と人間

by Emily Underwood on 30 July 2012, 6:20 PM


氷の話。羽毛状の「海老の尻尾」が傾斜した表面に形成される(主画像と左囲み)。科学者たちは他の普通でない氷の形成にもスポットを当てている(右囲み)。Credit: Evgeny Podolskiy; (inset, top right) Osamu Abe

2009年、氷河学者のエフゲニー・パドリスキーは休暇に日本の蔵王山火山を登っているときに、何らかのそれまで彼が見たこともないようなものを目撃した。海老の尻尾と呼ばれる柔らかい、羽毛状の氷の葉だった。彼は写真と一つの疑問を抱きながら山を下りた。どの気候条件がこの奇妙な形を作るのだろう?いま、強力な気候モデルの助けを得て、彼と国際的な研究者たちのチームはこの尻尾が作られる様子を再現した。この発見は高い標高の送電線と風車を建設する風力発電会社への贈り物になるかもしれない。

パドリスキーが彼の家族と防災科学技術研究所(日本、新庄)の低温地域科学者、阿部修とともに、蔵王山へのハイクを始めたのは4月後半だった。それまでに、蔵王山の樹に形成され、毎冬何千人もの旅行者を誘う、有名な「スノーモンスター」と呼ばれる霜の付着成長は解けていて、山のふもとではサクラの木が花を咲かせていた。「我々は氷でできたものを見ることは期待していなかった」とパドリスキーは話す。しかし山頂に近づくとともに、彼らは火山クレーターにあるエメラルドグリーンの湖のほとりに建つ神社の巨礫と壁に付着する奇妙な氷の羽毛を見た。

阿部はグループに、この羽毛はEbi no shippo(「海老の尻尾」)と呼ばれることと、火山ドームを覆う雲の中の小さな水滴が、岩石や建物などの障害物と衝突するときにそれらが形成されることを説明した。その水滴は氷点下になっても、それらが物体にぶつかる瞬間までは結晶を作らない。何百万もの水滴がおよそ25°の勾配がある表面に集積すると、海老の尻尾は離散的な羽毛の形で成長する。パドリスキーによると、同様の「ロブスターの尻尾」が航空機の翼で研究されているが、彼の知識ではこの尻尾を地上に形成させる気象条件を決定した者は誰もいなかった。

数枚の写真を撮った後、パドリスキーは自分のいる研究所である、名古屋大学に戻った。そこは彼がPh.Dを終えたところだ。「私は海老の尻尾についてしばらく忘れていた」と彼は話す。ところが1年後、彼はノルウェー気象研究所(オスロ)の大気学者、ビョーン・エーギル・ニゴールによる講演に出席した。二ゴールはWRF (Weather Research and Forecasting)モデルと呼ばれる気象モデルを使って、ヨーロッパの電波塔やスキーリフトなどの構造の凍結を研究していた。このモデルは海老の尻尾の起源の謎を解決するかも知れないとパドリスキーは気づいたが、問題があった。彼はモデルの専門家ではなかった。くじけることなく、彼は必要な物理学を独学で勉強し始め、この謎を解くのを助けてもらうために氷のモデリング専門家を募った。

海老の尻尾が形成された時にどんな気象が蔵王山上にあったのかを解決するために、全世界で測定された1時間毎の気象観測値履歴を分析することによって過去の嵐パターンを割り出すWRFモデルの能力をチームは使用した。そのモデルによると、海老の尻尾は二つの寒く、風が強い、数日続いた時期に形成された。気温は-6.3℃まで下がり、風は秒速26メートル近くまで吹き荒れていた。このモデルは火山を覆う雲の中の液体水の量が、ラボの研究で同様の尻尾を作った量を数回超えたことを示した。これは科学者たちが将来の凍結イベントを予測するのを助けられるかもしれない。

次に、チームはWRFモデルによって大気状態をシミュレートし、それをどれだけ多くの霜が人工構造に集積するかを予測するのに一般的に使われる氷着モデルへと入力した。彼らがそのモデルを低い角度の風を含めて走らせると、それは蔵王山に見られる数センチメートル以内の長さに合致する海老の尻尾を予測した。彼らは研究結果を先月のJournal of Geophysical Research誌に報告した。

国立大気研究センター(NCAR、コロラド州ボルダー)の大気学者、グレッグ・トンプソンはこの研究が確固たるものであると話した。彼はWRFモデルの開発に寄与した研究者だ。「結果は確かだ――彼らはあらゆる反論に対処した」。同様にWRFの開発に寄与した、NCARの気候モデル学者、ヒュー・モリソンは、モデルによって生成された風と気温がスキー場の観測所の測定値ととても近いことに驚いたと話した。「それはとても強固な結果だ」

トンプソンにとって、この研究の重要な点はモデルが常に良い結果を出していることだ。彼によると、20年前に、特定の日の特定の場所の嵐の状態を全球的気候モデルで再現しようとするのは「冗談」だっただろう。しかし現在、WRFなどの最先端の気候モデルは特定の大気現象を印象的な正確さで再現できる。彼によると、気候科学では「モデリングは輝点となっている」

電力インフラの凍結を研究する物理学者、アライン・ヘミオはこの研究の結果を「本当に印象的」だと述べた。彼によると、風力などの再生可能エネルギー源を広げるには、山地にさらなる風車と送電線を建設する必要があり、そこでは凍結が大きな問題となる。彼によると、パドリスキーのもののような研究は「凍結をモデリングする技術が絶えず向上している」ことを表すという。

元記事
Science NOW
Of Ice and Men
by Emily Underwood on 30 July 2012, 6:20 PM

原論文
Evgeny Andreevich Podolskiy, et al. 2012.
Study of unusual atmospheric icing at Mount Zao, Japan, using the Weather Research and Forecasting model
JOURNAL OF GEOPHYSICAL RESEARCH, VOL. 117, D12106, 24 PP., 2012 doi:10.1029/2011JD017042
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