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現生世代間隔による分子時計

世代ギャップが大昔のヒト-類人猿分岐を示す

by Ann Gibbons on 13 August 2012, 3:05 PM


ギャップの橋渡し。この母チンパンジー、ジョリーと彼女のオスの赤ちゃん、ザウィヌルはチンプにおける世代間隔の平均長を明らかにする助けになった。二頭はキバレ国立公園(ウガンダ)のンゴゴ群に属する。Credit: Kevin Langergraber

大きな世代ギャップがある霊長類は我々だけではない。ヒトでは親は子供より、平均で29歳も上だ。それは霊長類にしては異常に長いと考えられていた。しかし新しい研究によって、チンパンジーとゴリラにも、それぞれ約25年と約19年という大きな世代ギャップがあることが明らかにされた。この研究結果によって、我々の祖先がチンパンジーの祖先から分岐したのが、少なくとも700万から800万年前であったことも示された。この年代は以前考えられていたのより100万年以上も古い。

過去45年間にわたって遺伝学者たちは、現在のヒトとチンプの祖先は約400万から600万年前に別個の道を歩み始め、ゴリラの祖先とは約700万から900万年前に分かれたことを示してきた。だが、チンプとゴリラの化石はほとんど見つかっていない。そこでこれらの年代は、3種間のDNA配列の差異を数え上げ、その数を霊長類の「変異率」の推定値(時間当たりにどれだけ速く変異が起こるか)で割ることによって計算された。問題は、科学者たちは多くの場合で他の霊長類の種の化石による年代を使って変異率を計算し、その率をアフリカ類人猿とヒトに適用していることだ。このアプローチには誤差がつきまとう。化石の年代の精度に依存し、変異率が霊長類の種を超えても類似した値だと仮定しているためである。

もっと良い方法がある、とマックス・プランク進化人類学研究所(ドイツ、ライプツィヒ)の分子人類学者、リンダ・ヴィジラントは話す。彼女によると、研究者たちは化石や他の霊長類を見る代わりに、最近のヒトにおけるゲノム配列解読からのデータを使うことができる。それによってヒトの家族で世代当たりに起こる変異の平均数をより正確に見積もることができる。そして、科学者たちは新世代の時間見積もりを使って、ヒトと類人猿における年間変異率を導き、系統分岐がどれぐらい昔かを計算することができるという。だが、最近まで研究者たちは、血縁を証明し、平均世代間隔を正確に計算できるだけの、十分な野生のチンプおよび他の霊長類からのDNA試料を持っていなかった。

いま、アフリカのチンパンジーとゴリラにおける生殖パターンを10年にわたって分析した後に、ヴィジラントと元ポスドクのケヴィン・ランジャーグラバー(現ボストン大学の霊長類学者)は必要なデータは揃ったと話す。20人近くの協力者たちと研究し、二人は8つの異なったチンパンジー野生群で生まれた226頭の子と、アフリカの2つの異なった研究地点からのマウンテンゴリラの105頭の子の、出生時の母親と父親の年齢を記録するデータを集めた。そして彼女らはフィールドで回収した糞石のDNA血縁鑑定でそれらの関係を確かめた。Proceedings of the National Academy of Sciences誌に今日掲載された彼女らの報告によると、母親チンパンジーの子の出生時の年齢は11.7歳から45.4歳までに及んでいた。生殖の平均年齢はメスでは25歳、オスでは24歳であり、チームが得た平均世代間隔は約25年だった。ゴリラメスの出産時の年齢は7.3歳から38歳までに及び、両性別の平均世代間隔は約19.3年だった。

チンパンジーでの値は霊長類学者たちにとってとくに驚きだった。メスは11歳、オスは9歳という早い時期に子を作るのに、彼らの生殖寿命を通した平均年齢はずっと高かった。これらの長い世代ギャップは、動物の身体が大きいとその世代間隔も長くなり、その変異率も遅くなるという長年の経験則を否定する。これは一部の動物では真実だが、アフリカ大型類人猿とヒトを比較するときには当てはまらないように見える。「身体サイズが大きいことは必ずしも変異率が低いことを意味しない」とハーヴァード大学の集団遺伝学者、デイヴィッド・ライヒは話す。彼はこの研究に関わっていない。「ゴリラとチンプを研究している人たちですら驚いた」とヴィジラントは話す。

変異率を得るために、チームは両親と子の間の変異の数(ライプツィヒのラボに送られた糞石から採られたDNAを分析して収集された)を新しく計算された世代間隔で割った。研究者たちは2つの種の全体的な年当たりの変異率を得た。その値は以前化石を使って分子時計をカリブレーションするのに見積もられていた数字より遅いものだった。この新しい変異率を3種の歴史に適用すると、計算されたヒトとチンプの分岐年代は予想より古い数字になった。結果は、少なくとも700万年から800万年前でたぶん1300万年前、という古さだった。彼らの見積もりでは、ゴリラと、ヒト・チンパンジーを導いた系統の間の分岐は800万年から1900万年前だった。ヴィジラントの説明によると、これらの年代にとても大きな幅があるのは、3つの系統すべてで現在見られる変異率が時間を通じて一定であったと仮定しているためだという。だから鍵となる残された問題は過去に変異率は速かったのか、ということだ。

ヒト、チンプ、およびゴリラの祖先が縁を切ったのが予想より古いとすると、ヒトの仲間の最初期のメンバーであると称される化石が本当にヒト族である、すなわちヒトとその祖先を含むがアフリカ類人猿を含まないグループに属するという主張に妥当性を与えるだろう。それらの化石には600万年から700万年前のチャドで産出したSahelanthropus tchadensisなどが含まれる。長い世代間隔は、ヒトの祖先が類人猿に似た、現生人類より速い成長パターンを持っていたという仮定を持つ、骨格および歯の発達についての進化モデルにも影響する。

この研究は「野生チンパンジーとゴリラの世代長についての現時点で可能な最も正確な見積もり」を出したと、ウィスコンシン大学(マディソン)の古人類学者、ジョン・ホークスは話す。彼はこの研究に関わっていない。これらの世代間隔と系統間分岐の両方の精密な値は類人猿から収集されるデータが増えるとともに改訂されるかも知れない。それでもシカゴ大学の進化生物学者、李文雄は「ヒトとチンプの間の分岐年代という長年の問題へのまったく新しいアプローチをもたらす」ためにこの新しい研究は重要だと話す。

元記事
Science NOW
Generation Gaps Suggest Ancient Human-Ape Split
by Ann Gibbons on 13 August 2012, 3:05 PM

原論文
Kevin E. Langergraber, et al. 2012.
Generation times in wild chimpanzees and gorillas suggest earlier divergence times in great ape and human evolution
PNAS August 13, 2012 Published online before print August 13, 2012, doi: 10.1073/pnas.1211740109
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