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カンブリア紀の脳化石

太古の脳を読み取る

初期節足動物の神経組織の痕跡は長期にわたる進化的軍備競争の証拠になるだろう

Brian Switek
10 October 2012


太古の節足動物は高度な脳を持つサインを示す。Xiaoya Ma

カンブリア紀(およそ5億4000万年前)は進化的に奇天烈な生物で真っ盛りだった。海は装甲つきの体節と複眼を備え、多数の脚が驚くべき配列を見せる一連の無脊椎動物たちの住み処だった。しかし全てのこの多様性の中にはカンブリア紀の生物をいま生きている動物に結びつける生物学的な兆しがあった。

カンブリア紀の動物たちの中にフクシアンフイア(Fuxianhuia、撫仙湖虫、フーシャンフェイア)という小さな無脊椎動物がいた。この化石は中国の美しく保存された、雲南省澄江化石産地からの5億2000万年前の動物相の一部である。この11センチメートルの無脊椎動物は最初期の節足動物の一つだ。自然史博物館(ロンドン)の古生物学者グレゴリー・エッジコーム(Gregory Edgecombe)と彼の共同研究者たちは今日のNature誌で、初期の神経解剖学的構造の痕跡を含むと思われる一つの標本を報告した。

他の澄江産化石と同じく、フクシアンフイアの標本は低酸素環境で素早く埋まり、細菌による分解から保護された。この高解像度な保存は内蔵の詳細を含むこともある。エッジコームらによって分析されたフクシアンフイアの標本のうち一つの事例では、この動物の繊細な神経解剖学的構造が化石に着いた茶色の、鉄リッチな色素の凝集として保存されている。「そのサイズ、輪郭、および位置がシラエビなどの甲殻類における小さな脳に対応するために我々はそれを脳だと認識している」とエッジコームは話す。

この節足動物の脳は3つの節からなり、すべて口の前で融合し、そして眼柄に神経組織の痕跡がある。エッジコームによると、この化石の神経解剖学的構造と現生の昆虫および一部の甲殻類のそれとの著しい類似性は、フクシアンフイアの「かなり洗練された脳」が高解像度の視覚情報を処理するために進化したことを示すという。この発見は視覚の進化が捕食者と獲物のあいだのカンブリア紀軍備競争を促進したという考え方を裏打ちする。フクシアンフイアの想定される視覚能力と、三葉虫と呼ばれる他の節足動物のかけらが類縁種の消化管のなかで見つかったことを考慮して、エッジコームはカンブリア紀の節足動物が視覚的に鋭敏な捕食者だったという仮説を立てた。

初期のはじまり

これほど初期の年代に複雑な脳があったことで、この無脊椎動物の神経解剖学が初期の節足動物に共通する特性なのか、それとも鋭敏な視覚の優位性のおかげで現生節足動物と似た方法で進化したものなのか、といった「我々が予想もしてなかった疑問が飛び出してくる」とエッジコームは話す。「大事なことは、化石脳という、これまであまり研究してこなかった情報源からの新しいデータで我々はこれらの疑問を解決できることだ」とエッジコームは指摘する。

ウプサラ大学(スウェーデン)の古生物学者、グラハム・バッド(Graham Budd)は比較のためにさらなる化石が見たいと思っている。しかし彼によると、この痕跡がフクシアンフイアの脳の遺存物であることに「詳細のすべてが合っている」。バッドは脳に入り組んだ構造があることには驚かない。「複雑な視覚系は進化し始めるときはいつでも、それを支持する神経系を最適化する強い選択圧があることは明らかだ」と彼は言う。最も重要なことは、この化石が研究者たちに初期節足動物の脳についての「本当のデータ」を見せることだ、と彼は続けた。これは、脳がどのように進化したかについてのこれまでの仮説という意味で「ネコをハトの群れの中に放り込む」ことになる。「それはじつに面白い」と彼は話す。

しかしフクシアンフイアの化石に保存された構造が明確に解釈できることにすべての人が同意しているわけではない。ライプツィヒ大学(ドイツ)で節足動物の神経解剖学を専門とする、ゲオルク・マイア(Georg Mayer)によると、「資料の保存は素晴らしいが、濃い染みは神経、筋肉、および消化系の遺存物の混合であるというのがもっともあり得るだろう」。

それでも、「カンブリア紀の節足動物は複雑なボディプランを持っていたのに、彼らが複雑な脳を持っていなかったなんてことがあるだろうか?」とマイアは話す。この特有な化石が脳を保存し続けていたかどうかに関わらず、古生物学者たちはフクシアンフイアとそのカンブリア紀の仲間たちがすでに、複雑で危険な環境の中を泳ぐのを可能にする神経系を持っていたと考えている。やがて、さらなる標本が見つかれば、研究者たちはこの生物の進化した脳がカンブリア紀の視覚軍備競争を反映したものであるかどうかをよりよく調査できるだろう。

Nature News
Picking an ancient brain
Brian Switek 10 October 2012
Nature doi:10.1038/nature.2012.11559

原論文
Xiaoya Ma, et al. 2012
Complex brain and optic lobes in an early Cambrian arthropod
Nature 490, 258–261 (11 October 2012) doi:10.1038/nature11495
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