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iPS細胞移植騒動

幹細胞移植という主張の正体

人工多能性幹細胞の移植による心不全の治療は恐らく現実にはなかった。

David Cyranoski
12 October 2012


今週あったニューヨーク幹細胞財団の会議で自分の研究を発表する森口尚史。
AP/Press Association


最初から、真実であるには話がうますぎたと思われる。京都大学の生物学者、山中伸弥が2006年の人口多能性幹(iPS)細胞の発見でノーベル賞を受けた(「細胞の巻き戻しがノーベル賞に輝いた」参照)数日後、森口尚史――東京大学客員研究員――はその技術を応用して末期心不全の患者を治療したと主張した。昨日の日本の新聞、読売新聞の第一面を大きく飾った記事によると、2月に手術を施してから8ヶ月後にその患者は健康だったという。

しかしNature誌によってこの話が発信されると、森口がこの研究を行ったと主張した、ハーヴァード大学医学部とマサチューセッツ総合病院(MGH)は一連のできごとがあったことを否定した。「森口博士の研究に関係する臨床試験がハーヴァード大学でもMGHでも治験審査委員会に承認されたことはない」とハーヴァード大学医学部(マサチューセッツ州ボストン)の報道官、デイヴィッド・キャメロン(David Cameron)は書いた。「彼が報告している研究はMGHでは行われなかった」とMGH(同ボストン)の広報担当、ライアン・ドノヴァン(Ryan Donovan)は言った。

Nippon News Network(NNN)のWEBページに掲載された(そして後に削除された)ニュース動画は森口が今週開かれたニューヨーク幹細胞財団の会議で自身の研究を発表しているところを映した。

素晴らしい主張

もし本当なら、森口の偉業は、多くの研究者たちの予想の何年も前に、iPS細胞を臨床現場の広い範囲での使用へと放ったことになる。「私はこの治療ができるだけ早く日本でも実現することを願う」と、心臓病の子供たちを助けるのに貢献している東京に本部がある組織の会長は読売新聞に語った。

しかし疑われるには理由があった。森口は、マイクロRNA-145阻害剤とTGF-βリガンドという、たった2つの化学物質を使って細胞を再プログラムする手法を開発したと言っていた。しかし東京大学の幹細胞研究者、中内啓光によると、彼は「その手法で成功したという話は聞いたことがない」という。彼は今週まで森口の名前すら聞いたことがなかったとつけ加えた。

森口はその細胞を自身が開発した「超冷却」手法を使って心細胞へと分化できると言った。「それも奇怪な話だ」と中内は話す。

幹細胞研究の最先端について書かれた一冊の書籍の中に発表された、森口が2つの化学物質を使う手法を発表した論文は、他の論文からほぼ逐語的に写された段落が含まれていた。たとえば、“2.3 ウェスタン・ブロッティング”と題された節は、山中による2007年の論文と推移が同じだ。森口がヒト肝臓の生検を記述した第2.1.1節は、以前の論文に記述された患者数と標本摘出の時期が一致するが、研究施設の名前は変わっている。

Nature誌のコンタクトを受けたとき、森口は自身の発表内容を擁護した。「我々はみんな同じようなことをやっているので、我々が似た言葉を使っていたのは理に適っている」と彼は話す。彼は他の論文を「参考に」使ったことを認めた。

コールド・カスタマー

自身の超冷却技術を支持するために、森口はScientific Reports誌(Nature Publishing Groupの雑誌)の自分の論文を引用した。Nature誌が論文ではヒト卵巣の超冷却を保存のためと述べていて、彼が強弁するようなiPS細胞の心細胞への分化のためとは述べていないことを指摘すると、森口は「それが基本的に同じ技術であるために」後者の実験を論文から削ることを査読者に勧められたと話した。

森口は、ブタにおける安全性の研究、初回手術、および8月以降に行われた他の患者での5例の同様な治療の一部を含め、問題となっている研究のほとんどを自分自身でやったと話した。彼によると、他の研究者たちが治療の一部に関与したというが、彼は誰の名前も挙げようとしなかった。

森口はこの一連の治療の中で、彼が「極めて様々な専門技術」を主張していたことに同意した。Nature誌に対して、彼は東京医科歯科大学で医学学位を取る間に最低限の外科手術技術を学んだと話したが、今では話を変えていて、彼はその大学の看護学位を持っていて、医学学位でないと言っている。

東京大学は2006年から2009年まで森口が在籍し、その間に「医療経済学」と「臨床技術の評価」を研究していたことを確認した。彼は現在この大学の客員研究員で、大学病院美容外科の三原誠の研究室で研究し、「週に1回か2回来ている」と職員は話す。三原は今回の事件についての会議に出ていてコメントを得られなかった。

森口はMGHとハーヴァード大学医学部に研究室を持っているとも主張している。両研究施設は森口が1999-2000年にMGHで客員研究員をしていたが、それ以後は病院とも医学部とも関係ないことを確認した。

彼のiPS細胞治療に資金を出したのは誰か、治療が行われたのはどこか、倫理審査が行われたのはどこか、およびどの適正製造基準(GMP)施設が必要な臨床品質の細胞を製造したのかについて問われると、森口は再びMGHとハーヴァード大学医学部の名前を挙げた。だが、彼は倫理審査委員会委員長の名前もGMP施設とのやりとりについても話せなかった。

ハーヴァード大学医学部のコンネル・オライリー細胞操作コア・ファシリティの共同所長、ジェロム・リッツ(Jerome Ritz)は、Nature誌にこう話した。「我々は施設の中でいかなる患者に対するいかなるiPS細胞も作ったことがない。他の施設がこれらの細胞を作ったとは想像できない」

他の人たちもこの研究についての疑いを共有している。「私はこれが本当であるかどうか疑っている」と中内は話す。

Nature News
Stem-cell transplant claims debunked
David Cyranoski, 12 October 2012
Nature doi:10.1038/nature.2012.11584
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