Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://yuihaga.blog.fc2.com/tb.php/133-b2fb4bd8

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

消えたキセノンの謎

謎に包まれた希ガス消失事件

キセノンは地球の大気からほぼ消えてなくなっている。ドイツの地球科学者たちはその行方が分かったと考えている。

Ewen Callaway
10 October 2012 Corrected: 12 October 2012

証拠は絶え間ない日常の中にあるが、答えを手にするのは難しい。キセノンは化学的に不活性な希ガスのうち二番目に重たい元素で、消えてなくなっている。我々の大気は地球を形づくる岩石鉱物に似た隕石より、軽い希ガスに比してきわめて僅かなキセノンしか含んでいない。

消えたキセノンのパラドックスは科学の大きなフーダニットの一つである。研究者たちはこの元素が、場所の候補として、氷河、鉱物、または地球の核、の中に潜在しているという仮説を立ててきた。

「科学者たちはいつもキセノンは本当に消えたのではないと言っていた。大気中にはないが、どこかに隠れているのだと」とバイロイト大学(独)の地球物理学者の探偵、ではなく、教授のハンス・ケプラー(Hans Keppler)は話す。彼と共同研究者のスヴャトスラフ・シェカ(Svyatoslav Shcheka)はこの事件に取り組んだ最新の地球科学者であり、その報告が今日Nature誌に発表された。

元素だよ、ワトソンくん

彼らは答えを鉱物の中に探しに行った。マグネシウムケイ酸塩ペロブスカイトは地球の下部マントル――地殻と核のあいだにある岩石の層で、地球の質量の半分を占める――の主要構成要素だ。捜査する2人の科学者は消えたキセノンがこの鉱物にあるポケットに溜め込まれているのではないかと疑った。「希ガスをペロブスカイトへと詰め込むのは可能にちがいないと確信していた」とケプラーは話す。「キセノンはそこにあるのではないかと思った」

研究者たちは1,600℃を超す温度と海面での250,000倍の圧力でキセノンとアルゴンをペロブスカイトへと溶かし込んでみた。これらの極限環境――下部マントルに似ている――の下でこの鉱物はアルゴンを吸い上げたがキセノンが入り込む余地はほとんどなかった。

この結果はがっかりするものに聞こえるが、ケプラーとシェカに一つの考えを浮かばせた。キセノンが少しも隠れていないのだとしたらどうだろう?

40億年以上前、地球は溶けていた。多数の隕石がこの惑星に衝突し、その原始大気のほとんどを失わせた。ケプラーとシェカは、アルゴンと他の希ガスはペロブスカイトの中に隠れたが、キセノンのほとんどはこの鉱物の中に溶けることができず、宇宙へと消え失せていったのだと提案する。

「これはほかの全員が言っていることと完全に違う。彼らはキセノンは近くにあるがどこかに隠れているのだと言っている。我々は地球史の非常に初期にキセノンには隠れる場所がなかったために、近くにないと言っている」とケプラーは話す。

地球が冷却されると、アルゴンと他の希ガスはペロブスカイトからしみ出して大気を満たし始めた。キセノンはこの鉱物に痕跡レベルでしか溶けなかったので、大気でも痕跡レベルの構成になった。

彼らの仮説へのさらなる根拠として、科学者たちは大気中の3つの希ガス――キセノン、クリプトン、およびアルゴン――の相対比がだいたいペロブスカイトでの溶解度に一致することを指摘する。

この理論はキセノンの軽い同位体が重い同位体より大気中に乏しい理由も説明するだろう。「いままでこれを説明できたものはいなかった」とケプラーは話す。彼とシェカは何十億年にもわたって、キセノンが宇宙へとしみ出していたときに、軽い同位体のほうが逃げ出しやすかったことを示す。

事件解決だろうか?

不希ガス

ちょっと待て、とピエール・エ・マリー・キュリー大学の地球科学者、クリステル・サンルー(Chrystele Sanloup)は話す。「この発見が消えたキセノンを説明するとは思わない」彼女はこの理論が大気中に重いキセノンが余分にあることを完全には説明しておらず、また新たなキセノンが岩石中のウランとプルトニウムの放射性崩壊でできることに注意した。

そのうえ、地球の消えたキセノンへの説明はどれも火星にも当てはまらなくてはならない。火星の大気にもこの希ガスの欠乏が見られるのだ。ケプラーとシェカはここでも太古のキセノンが宇宙へと逃げたことを示した。彼らによると、この惑星の弱小な重力場はこのガスを留めておくことを妨げたという。その結果、現在火星に見られるすべてのキセノンはペロブスカイトに溶けてしまうほどに少ない量しかない。

しかしサンルーは火星の大気中にあるキセノンを説明するのに十分なペロブスカイトが火星にあるのか疑っている。消えた火星のキセノンの謎が解けるまで、地球のキセノンの行方についての結論はでない、と彼女は話した。

Nature News
The mysterious case of the missing noble gas
Ewen Callaway, 10 October 2012 Corrected: 12 October 2012
Nature doi:10.1038/nature.2012.11564

原論文
Svyatoslav S. Shcheka & Hans Keppler
The origin of the terrestrial noble-gas signature
Nature, 2012 Oct 10. doi: 10.1038/nature11506
スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://yuihaga.blog.fc2.com/tb.php/133-b2fb4bd8

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。