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最古恐竜エオドロマエウス

小さな捕食動物が恐竜の系統図をガタガタ言わせる



Michael Balter

ティランノサウルス・レクス(Tyrannosaurus rex)など、ほとんどの恐竜が約6500万年前に絶滅したことは、すべてのニュースの見出しをさらうだろう。しかし古生物学者たちは、これらの力強い動物たちがどのように始まったのかを解明することにもひとしく関心を持っている。彼らの祖先は誰だったのか?彼らはそれ以前の古い爬虫類の競合者を払い除けて、突然地球に現れたのか、それとももっと静かな、漸進的な方法で世界の卓越者になったのか?

206ページで、アルゼンチンで研究するチームは約2億3000万年前の、古生物学者たちが恐竜の夜明けと呼ぶ時期に棲息していた、非常に初期の恐竜――たぶんT・レクスの遠い祖先――の発見を報告する。研究者たちによると、この新しい発見物――合わせると小型の、全長1メートルの恐竜のほぼ完全な骨格をつくる2体の標本――と隣接して産する化石は、恐竜類が他の爬虫類を打ち負かしたのではなく、彼らの前任者が他の理由で死に絶えるとともに漸次的に置き換わったことを示すという。もっと論争的なことに、チームによると化石は、もっとも良く知られた初期の恐竜、エオラプトル(Eoraptor)は長らくT・レクスのような肉食恐竜の祖先だと考えられていたが、実際はアパトサウルス(Apatosaurus)のような巨大な植物食恐竜の祖先であったことを示すという。

「新しい標本は注目すべきものだ」とワシントン大学(シアトル)の古生物学者、スターリング・ネスビット(Sterling Nesbitt)は話す。ブリストル大学(英国)の古生物学者、マイケル・ベントン(Michael Benton)は、この化石――発見チームがエオドロマエウス・ムルフィ(Eodromaeus murphi)と呼ばれる新種に割り当てたもの――が初期の恐竜進化についての「我々の知識を大きく前進させるのに十分なほど完全」だとつけ加えた。

最初期の恐竜の起源を追うことは古生物学者にとって大きなチャレンジであった。地球上の最初期の時代からは論争の余地のない化石がなかったためだ。約2億3000万年前にエオラプトルなどの異論のない初期恐竜類が地球上に出現した時期までに、恐竜類はすでに3つの主要な系統へと進化していた、とほとんどの研究者たちは結論してきた。3つの系統とは、1つ目がステゴサウルス(Stegosaurus)やアンキロサウルス(Ankylosaurus)のような鎧をまとった動物を後に生み出した、鳥盤類。2つ目はアパトサウルスやブラキオサウルス(Brachiosaurus)のような巨大な植物食動物を導いた系統、竜脚形類。3つ目はT・レクスやアロサウルス(Allosaurus)などの肉食の獣脚類だ。

エオドロマエウスを見つけたチームは、1990年代初期にエオラプトルを発見し記載したのと同じ2人の古生物学者によって率いられた。シカゴ大学(イリノイ州)のポール・セレノ(Paul Sereno)と、サンフアン国立大学(アルゼンチン)のリカルド・マルティネス(Ricardo Martinez)の2人だ。1996年、月の谷とも呼ばれる、アルゼンチン北西部のイスチグアラスト渓谷(Ischigualasto Valley)で、マルティネスとともに調査していた日本からのボランティアが、丘の斜面で1個の小さな脊椎を発掘した。2ヶ月後にセレノがこの化石の発掘を手伝うために到着したとき、彼とマルティネスはそれらをはじめエオラプトルと同定した。


小さなパパ? 全長1メートルのエオドロマエウスは、アルゼンチン北西部(上)で見つかり、鋸歯状の歯などの後の獣脚類との類似点を備えていた(下)。
CREDITS (TOP TO BOTTOM): ILLUSTRATION BY TODD MARSHALL; PHOTO BY RICARDO MARTINEZ; PHOTO BY MIKE HETTWER


いらだたしいことに、化石の多くは巨大な岩のブロックの中に埋まっていた。「それは並外れてクリーニング[と分析のための準備]が難しい標本だった」とセレノは話す。しかし十分な骨が見えるようになると、「これがエオラプトルでなかったこと」が明らかになった。

そうではなく、チームの結論では、この発見物は初期獣脚類の新種だ。証拠には、その非常に長い鋸歯状の歯、得物をつかむのを助ける長い指の骨、およびその頸椎にある気嚢のためのポケットが含まれていた。気嚢は、獣脚類恐竜の子孫である、現在の鳥類のように肺へと空気を送り込むのを助けたと考える研究者もいる。「これが新分類群で、恐竜時代の始まり付近の…決定的な時代からの非常に重要なものであることに疑いはない」とアメリカ自然史博物館(ニューヨーク市)の古生物学者、マーク・ノレルは話す。そしてネスビットは「著者たちはエオドロマエウスが獣脚類であるというかなり十分な論拠を示した」と話す。

セレノとマルティネスの2人は以前にエオラプトルを知られている最初期の獣脚類だと同定した。しかし彼らのもともとの標本をさらに詳しく研究し、それらをエオドロマエウスや他の恐竜類と比較した後に、エオラプトルが実際は初期の植物食の竜脚形類であったと彼らは主張している。「誰も、我々自身でさえも、この再配置を予言したものはいない」とセレノは話す。

他の研究者たちは慎重だ。この初期恐竜類のツリーの急進的な再編成は「独立したチームによるさらなる研究だけが評価できる」とサンパウロ大学(ブラジル)の古生物学者、マクス・ランゲル(Max Langer)は話す。そしてエオラプトルをどこに位置づけるかについての曖昧さは「[初期の]獣脚類と竜脚形類がどれだけ[互いに]似ているかを強調する」とランゲルは続けた。それは動物グループの「初期放散ではどうしても予想される」ことだと彼は話す。

恐竜の専門家たちはScience誌の論文の広い結論を歓迎している。2億3000万年前までにすべての3つの恐竜類の系統――鳥盤類、獣脚類、および竜脚形類――がすでに彼らの特徴的な食性行動(肉食対植物食)およびロコモーションの様式(二足歩行の獣脚類、四足の竜脚形態類)を進化させていた、と著者たちは書いている。まだ彼らはイスチグアラストの全脊椎動物種の約11%しか占めていなかった。彼らが卓越するまでにさらに3000万年を経なければならなかった――恐竜が他の種を絶滅に追いやったのではなく、他の爬虫類がいなくなって空いた生態的ニッチを埋めたという証拠だとチームは主張する。

「恐竜類が引き継ぐ前にそのもっとも注目すべき進歩のすべてを恐竜類は持っていた」とセレノは話す。ベントンも独立に恐竜類が彼らの競合者を打ち負かしたのではないという結論を出している。彼は新しい研究が彼自身の恐竜支配の「日和見置換」モデルを確かめるものだと話す。「新しいことはそのタイミングに関係する精度を彼らが高めたことだ」とベントンは続ける。

Science, News of the Week
Pint-Sized Predator Rattles The Dinosaur Family Tree
Michael Balter
Science 14 January 2011: Vol. 331 no. 6014 p. 134
DOI: 10.1126/science.331.6014.134

原論文
Ricardo N. Martinez, Paul C. Sereno, Oscar A. Alcober, Carina E. Colombi, Paul R. Renne, Isabel P. Montañez, Brian S. Currie
A Basal Dinosaur from the Dawn of the Dinosaur Era in Southwestern Pangaea
Science 14 January 2011: Vol. 331 no. 6014 pp. 206-210
DOI: 10.1126/science.1198467



エオラプトルを押しのける



化石の発見は小さな、尖った歯をもつ恐竜を植物食動物に押しやった。

Matt Kaplan


新しく見つかったエオドロマエウス(図)とエオラプトルの比較は、後者を恐竜の系統図の植物食の枝へと移すべきであることを示す。
Todd Marshall


エオラプトル(Eoraptor)と呼ばれる、小さな体の、歯を見せた恐竜は、恐竜の系統図の肉食の枝の最初期のメンバーだと長らく考えられていた。それが植物食の最大のものを含む別の恐竜グループの基部のほうに位置づける特徴を持つことが明らかになった。

Science誌に今日発表された研究は、約2億3000万年前の後期三畳紀のエオラプトルと同じ時代のあいだに生きていた、新しく発見された恐竜種についてのものだ。エオドロマエウス・ムルフィ(Eodromaeus murphi)と名づけられた恐竜は、イスチグアラスト累層(Ischigualasto Formation)という、ある程度の知られている最古の恐竜化石が散らばるアルゼンチン北西部にある地質学的盆地でで発見された。エオドロマエウスの化石に見られる頭骨、前肢、後肢、および腰帯の特徴は、はそれと獣脚類とのつながりを示す。獣脚類はティランノサウルス・レクス(Tyrannosaurus rex)やヴェロキラプトル・モンゴリエンシス(Velociraptor mongoliensis)などの肉食性のものが卓越するグループだ。

小さなエオドロマエウスは、その顎、「手」、および後脚から判断して、二本脚の活発な捕食者だ。顎には肉を切るための細かい鋸歯を伴うサーベル形の歯がちりばめられ、手には強力で致死的な把握のための長い指と鋭い爪があり、脚の長さの比率は高速走者の長いものだった。さらに、尾の後ろ半分は重なり合う構造で硬直しており、尾が素早い切り返しの間にバランスを取るビームとして働くのを助けた。これらの特徴のすべてが後の獣脚類によって受け継がれた。

「エオドロマエウスはこの捕食系統の最初期の姿を教えてくれる」と新しい研究の筆頭著者であるポール・セレノは話す。「だがこの発見をする過程でエオラプトルが間違って獣脚類の系統の基部に置かれていたことに気づいたんだ」

重要な比較

恐竜類は3つの明瞭なグループへと分けることができる。卓越した肉食の獣脚類、ディプロドクス(Diplodocus)など長い頸を持つ植物食の竜脚形類、トリケラトプス(Triceratops)やステゴサウルス(Stegosaurus)などとても多様な植物食の鳥盤類、の3グループだ。

知られている初期の鳥盤類恐竜の同定については疑いは少ない。それらの骨と歯がとても明瞭だからだ。これは今のところ、類似する形質を多く持つ、最初期の獣脚類と竜脚形類には当てはまらない。


エオドロマエウスのレプリカ頭骨と復元頭部は上顎歯が捕食のためにデザインされていることを明らかにする。それは研究者たちがそれを見つかっている最初期の肉食恐竜だと同定するのを促した。
Mike Hettwer


多くの古生物学者たちはエオラプトルが獣脚類の最初期のメンバーだったと主張してきた。しかし新しい研究はこの小さな恐竜が実際には基部的竜脚形類だったことを示す。

エオラプトルを獣脚類系統から蹴り出す主張は、エオドロマエウスとエオラプトルが同じ時代に棲息し、エオドロマエウスが非常に目立った獣脚類様の特徴を持つのに対し、エオラプトルはこれらの特徴を欠くだけでなく、下顎第一歯が内側に寄り鼻孔が広いなど竜脚形類の特徴を有することに注目する。

これらの動物の間の違いがお互いを並べて比較してみないと見つけ出せない非常に特定の詳細に帰着したことを考えれば、この間違いは理解できる。「二つの動物が骨に肉をつけた姿であなたの横を走り去ったら、違いを言い当てるのは至難の業だろう」とセレノは話す。

類似性が著しいので、この点で全員が納得しているわけではない。ブリストル大学(英国)の古生物学者、マイケル・ベントン(Mike Benton)は「エオラプトルを獣脚類から竜脚形類へと類縁を動かすのは大きなシフトだが、化石資料を自身の目で見るまではこの解釈に賛成とも反対とも言えない」と話す。彼はこの研究に関与していない。

セレノは、もっと多くの研究者がエオドロマエウスを見る機会を持ち、証拠を検討すればエオラプトルを動かすコンセンサスが増えていくと確信している。

違った夜明け

エオドロマエウスの発見に加えて、研究チームはイスチグアラスト累層における全体の種多様性の占める恐竜のパーセンテージは三畳紀のあいだ増えていないことを注意する。「恐竜の多様性は見つかっている他の種に比べて単純におよそ10%にとどまっていて、いかなる安定的増加も見せない」とセレノは話す。そのうえ、非恐竜類動物が後期三畳紀に絶滅しても、恐竜類は増えていっていない。

この、セレノと彼の共同研究者たちの提唱は、恐竜類が三畳紀の間に最初は非常に少ない数で現れ、他の動物が絶滅し、それらを日和見的に置き換えるごとに、時間とともにしだいに増えていった、という定説を弱くする。

その考えは最終的に正しいことが立証されるかもしれないが、それはまだ確かと言うにはほど遠い、とベントンは感じている。「生態学的に、イスチグアラストの恐竜化石はその景色の中で稀なままだ。それが日和見シナリオを弱めるかどうあは明らかではない」と彼は話す。

セレノはこの話がまだ不明瞭であることに賛成する、とすぐに続けた。「私はまだジュラ紀の恐竜の優越についての日和見説を支持している。私はイスチグアラストで他の種が消滅しても恐竜の多様性の上昇が見られないことにいらだちを覚えているだけだ」と彼は話す。

Nature News
Move over Eoraptor
Matt Kaplan
Published online 13 January 2011
Nature doi:10.1038/news.2011.17



2年前の古いニュースです。エオドロマエウスが発見されたときの話です。
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