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陡山沱の「胚」化石の正体

謎の化石は動物でも細菌でもなかった



Matt Kaplan
22 December 2011

陡山沱(Doushantuo、中国)からの5億7000万年前の化石グループの異常なほど複雑な外見は古生物学者たちのあいだに議論を起こしてきた。研究者たちはこの化石が動物のものか、細菌のものか、あるいは動物進化の夜明けに繁栄した動物の近縁のものか、決めることができなかった。だが一つのチームがいま、三次元スキャニング技術を使ってこれらの化石の詳細な観察をした――そして化石が実際にはこれらのいずれでもないことが分かった。


陡山沱(中国)の化石のコンピュータモデルにおける「細胞核」(黄色)の形を明らかにするX線マイクロトモグラフィが、それが見つかった岩石を背景にして示される。
Swedish Museum of Natural History


陡山沱の化石は分割した砂つぶのように見える。この分割は動物細胞の分裂に似ていて、化石の中の細胞核に見える構造もあって、古生物学者たちに化石を非常に初期の動物の分割する胚だと解釈させてきた。しかし他の研究者たちがそうではなくて、ティオマルガリタ(Thiomargaritaの化石だと主張した。ティオマルガリタは現在も存在する巨大な硫黄酸化細菌で、直径1ミリメートル近くまで成長し、化石記録では他の生物の細胞のように見えることもある。

この問題を決着したいと切望し、ブリストル大学(英国)の古生物学者、フィリップ・ドナヒュー(Philip Donoghue)とスウェーデン自然史博物館(ストックホルム)のステファン・ベンツォン(Stefan Bengtson)は、X線顕微鏡トモグラフィを用いてこの化石の内部の三次元像を作った。チームはその研究を、今日のScience誌と先週Proceedings of the Royal Society B誌に発表された2つの論文に記述している。

スキャンされた450点の化石のうち、14点が核のように見える構造を含むことが分かった。これらの標本のうちの一つでは、8つの構造のうちの3つが伸張しているか、現代の核が複製されるときのようなダンベル形になってさえいた。これはこの生物が細胞分裂のあいだに死んだことをほのめかす。

「我々は化石化によって保存された核分裂を見つけるのに夢中になった。それは化石生物が細菌ではなかったことを確かめた。だが、それらが動物でもなさそうであることに我々はすぐに気づいた。動物の核は細胞分裂の間にその輪郭を失う傾向にあるのに、これらの核はそうでなかったからだ」とベンツォンは話す。

動物、植物、それとも鉱物?
研究者たちが詳細に観察すると、発生の後期にあると思われる標本に何十万個もの小さな細胞が含まれることと、これらの標本の外包膜が部分的に張り裂けていることに気づいた。この観察に基づいて、ドナヒューとベンツォンはこの生き物が現生のメソミセトゾア類に類似することを示す。メソミセトゾア類は、動物でも細菌でもない単細胞の微生物である。

メソミセトゾア類は保護皮膜の内側に何千もの胞子細胞を作り、それらが環境へと拡散されるときに弾けることによって繁殖する。これらの細胞が定着すると、それらは新しい皮膜を作り再び増殖しはじめる。この陡山沱の化石が似ているという考えは科学コミュニティに動揺を引き起こしている。

「たくさんのメソミセトゾア類は単一の大きな細胞で始まり、そしてこれと同様に厚い細胞壁の内側で分割する。だからここに示されている考えは悪いものではない。だがそれを言うなら、ある種の菌類のように、非常に似た方法で振る舞う生物は他にもいる。我々の知るかぎりでも、これらは菌類の化石である可能性もある」と進化生物学研究所(スペイン、バルセロナ)の生物学者、イニャキ・ルイス=トリージョ(Iñaki Ruiz-Trillo)は話す。

ケンブリッジ大学(英国)の古生物学者、ニコラス・バターフィールド(Nicholas Butterfield)は他の選択肢もあることに同意する。「これらが発生中の多細胞生物である可能性を捨てるのはまだ尚早だ。これらの化石と緑藻類ヴォルヴォクス(Volvox)の特徴のあいだには興味深い類似点があり、ヴォルヴォクスは多細胞生物だ。動物に見られるよりはるかに単純なタイプの他細胞性ではあるが」と彼は話す。

しかし古生物学コミュニティはまだ最終評決からほど遠いと考えるものもいる。「広く認識されていないのは、陡山沱の岩層には何十億もの微化石が含まれ、その多くに現生グループのいずれかと判断できる特徴をまったくなく、生物起源でない特徴を含むことだ」とミネソタ大学(ミネアポリス)の地球生物学者、ジェイク・ベイリー(Jake Bailey)は話す。「我々はこれらの謎めいた微化石の起源をまだ少しも理解していない」

Nature News
Enigmatic fossils are neither animals nor bacteria
Matt Kaplan, 22 December 2011

原論文
Therese Huldtgren, John A. Cunningham, Chongyu Yin, Marco Stampanoni, Federica Marone, Philip C. J. Donoghue and Stefan Bengtson
Fossilized Nuclei and Germination Structures Identify Ediacaran “Animal Embryos” as Encysting Protists
Science 23 December 2011: Vol. 334 no. 6063 pp. 1696-1699
DOI: 10.1126/science.1209537

J. A. Cunningham, et al.
Experimental taphonomy of giant sulphur bacteria: implications for the interpretation of the embryo-like Ediacaran Doushantuo fossils
Proc. R. Soc. B 7 May 2012 vol. 279 no. 1734 1857-1864
Published online December 7, 2011 doi: 10.1098/rspb.2011.2064
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