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生命起源の噴出孔シナリオ

生命は深海の岩石からどのように出現したか



イオンポンプタンパクの起源は生命が海底の熱水噴出孔の中でどのように始まり、そこからどのように離れたかを説明できるかもしれない。

Ed Yong
20 December 2012


太古の熱水噴出孔の環境は最初の細胞のイオン調節を助けることによって、その進化をうながしたかもしれない。
Ralph White/CORBIS


岩石、水、および深海噴出孔から吹き出す水素ガスに飛んだ熱いアルカリ流体。この生命のレシピは何年にもわたって小さな科学者グループが擁護してきた。今、グループのうちの2人が最初の細胞がこれらの噴出孔の中でどのように進化し、その深海の住みかからどのように離れたのかについての詳細をつけ加えている。

ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンのニック・レイン(Nick Lane)とデュッセルドルフ大学(ドイツ)のビル・マーティン(Bill Martin)は生命がどのように出現したかへの答えは、細胞のイオンポンプの起源にあるとと考えている。それは、細胞を外側の世界から隔離する障壁である、細胞膜を横切るイオンの流れを調節するタンパクだ。彼らの仮説は今日、Cell誌に発表された。

岩石の中の生命
現在のすべての細胞では、ATP合成酵素と呼ばれる酵素が細胞膜を横切るイオンの流れによるエネルギーを使って汎用エネルギー貯蔵分子のATPを作る。そしてこの必須の過程は、これらの勾配を生み出すイオンポンプタンパクに依存する。しかしこれは「鶏が先か、卵が先か」という問題を生じさせる。細胞はイオン勾配を作るタンパクを用いてエネルギーを貯蔵するが、それは最初の段階でタンパクを作るのにエネルギーを使う。

レインとマーティンは、水素が飽和したアルカリ水が海底の噴出孔で酸性の海洋水に出会い、触媒性の鉄-硫黄鉱物に富んだ岩石中の薄い鉱物「壁」を通した自然のプロトン勾配を作ったと主張する。この設定は二酸化炭素と水素を有機的な炭素含有分子へと変え、それが互いに作用してヌクレオチドやアミノ酸などの生命の材料を作るのに正しい環境を作れるだろう。

深海の熱水噴出孔の岩石はこれらの小さな薄壁の空隙の迷宮を含む。それはプロトン勾配を作り、作られた単純な有機分子を濃縮し、そして最終的にそれらが複雑なタンパクと核酸のRNAを生成することのすべてにおいて、「原細胞」として働くことができただろう。これらの原細胞が最初の生命だった、とレインとマーティンは主張する。

岩の原細胞は最初はだだ漏れの有機質の膜で仕切られていたと想定される。この細胞が噴出孔から離れ、海洋の中の自由生命となるためには、これらの膜は閉鎖されなくてはならない。しかし膜を閉鎖するのは自然のプロトン勾配を切り離してしまう。ATP合成酵素はプロトンを細胞内へと送るが、それらを外にポンプするものがなく、膜の内外でのプロトンの濃度はすぐに等しくなってしまうからだ。イオン勾配なしでは「それらはパワーを失ってしまう」とレインは話す。

プロトンを細胞の外にポンプするタンパクがこの問題を解決したと思われるが、膜が閉じるまではそのようなタンパクが進化する圧力はなかっただろう。その場面で「彼らはすぐさまプロトンポンプ系を進化させなくてはならなかっただろう。そんなの不可能だ」とレインは話す。

現生の微生物
レインとマーティンは原細胞はナトリウム-プロトンアンチポーターを進化させたおかげで、このジレンマから逃れたと考えている。それはプロトンの流入を使ってナトリウムイオンを細胞外へとポンプするタンパクだ。原細胞膜の閉鎖が始まると、彼らはより小さなプロトンが現れるまで大きなナトリウムイオンを通せなくなる。これはナトリウムポンプタンパクを進化させた細胞に優位性をもたらしたと思われる。ただし、彼らはまだ噴出孔の自然プロトン勾配に依存してエネルギーを生成していたと思われるが。このアンチポーターはナトリウム勾配も作る。膜が完全に閉じると、細胞はこのナトリウム勾配で生きることができるようになり、噴出孔を離れても大丈夫になった。

レインとマーティンは彼らの仮説の着想を現在にこれらの極端な環境に棲息する細菌とアーケアから得た。「彼らの生化学は熱水噴出孔の環境からシームレスに出現したように思う」とレインは話す。これらの微生物は鉄-硫黄含有タンパクを使って水素と二酸化炭素を有機分子へと変える。彼らはイオン勾配を生成するのにナトリウム-プロトンアンチポーターに依存する。彼らのATP合成酵素などの膜タンパクはナトリウムイオンまたはプロトンの勾配とも互換性がある。

フランス国立科学研究センター(マルセイユ)の生化学者、ヴォルフガング・ニチケ(Wolfgang Nitschke)は現生微生物の知見を使って生命の起源の詳細なシナリオを作ったことで二人組を称賛する。「基本的に他のすべての生命起源仮説とははっきりと違って、アルカリ噴出孔シナリオの枠組みでの研究は経験主義的だ」と彼は話す。「それは傑出した論文だ」

Nature News
How life emerged from deep-sea rocks
Ed Yong, 20 December 2012
Nature doi:10.1038/nature.2012.12109

原論文
Nick Lanesend and William F. Martin
The Origin of Membrane Bioenergetics
Cell, Volume 151, Issue 7, 1406-1416, 21 December 2012
10.1016/j.cell.2012.11.050
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