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蛍光X線が見せる歯の痕跡

化石の中のゴースト



by Sid Perkins on 21 December 2012, 1:00 PM


X線ビジョン。単なる5000万年前のトカゲの皮膚の化石(左)と考えられていたものに研究者たちが特定の波長のX線を当てると、リン濃度の高い点々(点、右上)が発見された。彼らはそれを歯(離れた顎の歯が青と赤の線で囲まれている、右下)の化学的痕跡と解釈している。

化石記録に保存されている数少ない幸運な生き物ですら、皮膚や羽などの軟組織は時間とともに消失するのが普通だ。しかし新しく開発された技術は一部の事例でそれらを蘇らせる方法を見つけた。研究者たちはいま、このアプローチを使って歯を復活させ、単に爬虫類が脱ぎ捨てた皮膚の残存が保存されたものと長らく考えられてきた、5000万年前のトカゲ化石の死体を認めている。

「これは信じられないほど未知の領域だ」とフロリダ州立大学(タラハシー)の古脊椎動物学者、グレゴリー・エリクソン(Gregory Erickson)は話す。「この技術は文字通り、化石の見た目以上をあらわにする」

1980年代に発見されたトカゲ化石は、米国西部のグリーン・リヴァー累層(Green River Formation)から発掘された、2つしか知られていないトカゲの皮膚の例のうちの1つだった。この地層は細かく成層した泥岩で、その繊細な魚類化石でよく知られている。化石記録で軟組織は、普通でない環境でしか保存されない、非常に稀なものであるにもかかわらず、このトカゲ化石は時代を経ても残った、とマンチェスター大学(英国)の古脊椎動物学者、フィリップ・マニング(Phillip Manning)は話す。皮膚の中に個々のウロコまで簡単に見られるが、この岩石にはいかなる目に見える骨などの硬組織の痕跡も含まれていなかった。この組み合わせにより、研究者たちはこの皮膚がある生きた個体が脱ぎ捨てて、そして保存されたものだと考えた。

しかし最近、この化石についてさらに調べるため、マニングと彼の共同研究者たちは比較的新しいX線分析技術――シンクロトロン高速走査X線蛍光と呼ばれる技術――を始め、驚くべき結果を得た。科学者たちに岩石の内側や断面を見せるのではない、と彼は注意する。この技術で作られた強いX線は特定の元素または化合物の蛍光を起こさせ、以前は認識できなかった肉眼では見えないが岩石中に残存する非常に低濃度の化学的痕跡をあらわにする。

研究者たちが化石を硫黄と銅の蛍光を起こすX線で照射すると、皮膚の残存物は著しく詳細に写った。しかし彼らが化石をリンを輝かせるX線で照らすと、この技術はトカゲの頭部に元素が濃縮されたたくさんの小さな点々をあらわにした。それは規則正しく間隔が空いた点で、この生き物の顎があったと思われるところに現れた。この並びは研究者たちがリンの跡を歯の化学的痕跡と解釈するのを促した。トカゲは脱皮するとき、その歯は脱ぎ落とさないことから、この技術は異常な化石が完全な死体の部分的に保存された残存であることを明らかにした。研究者たちは、研究結果を今月Applied Physics A: Materials Science & Processing誌にオンラインで報告する。

この化石の保存状態は死体がたどり着いた場所の環境についてたくさんのことを明らかにする。その動物は、たぶん死んですぐ後に湖へと流されたと思われる。この特定の場所では湖底の水は酸素が乏しいかなかったようで、それが皮膚の保存を可能にした。しかしその水は酸性でもあり、この生き物の骨は完全に溶け、その歯のわずかな痕跡だけが
残されたように見える。歯の化学的痕跡は保存されたのは、歯のエナメルは有機物の濃度が低く、リン酸塩鉱物の結晶が大きかったためである可能性が高い。その両方が分解に対して歯に耐久性を持たせる。

チームが用いたX線技術は「絶滅動物とそれが生きたまたは死んだ環境について研究するまったく新しい方法のカーテンを開くだろう」とマニングは話す。このアプローチのもう一つの利点は、その非破壊性である、と彼は注意する。

この技術を使った以前の研究は、羽の色素の化学的残存物をあらわにし、太古の鳥類を飾っていた色パターンへの洞察をもたらしている。またこの技術は、目の色素が詰まった網膜、太古のイカの墨袋、および筋肉なども他の組織のような、稀にしか保存されない軟組織の残存物を識別する可能性ももたらす。少なくとも肉眼で見分けられる以上に。

新しい研究の結果は「素晴らしく興味深い」とアメリカ自然史博物館(ニューヨーク市)の古脊椎動物学者、マーク・ノレル(Mark Norell)は話す。「我々が考えていた以上に化石にはもっとたくさんのものが保存されている」

エリクソンは同意する。「この技術は古生物学者がたくさんの歴史的な化石を再訪するのを促すだろう」と彼は話す。「古生物学の最初の150年間に何が見過ごされてきたのか、だれが分かるだろうか?」

Science NOW
Ghost in the Fossil
Sid Perkins, 21 December 2012, 1:00 PM

原論文
N. P. Edwards, R. A. Wogelius, U. Bergmann, P. Larson, W. I. Sellers and P. L. Manning
Mapping prehistoric ghosts in the synchrotron
Applied Physics A, December 2012
DOI 10.1007/s00339-012-7484-3
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