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サッターズ・ミル隕石

サッターズ・ミル隕石は研究の大鉱脈を産する



Emily Underwood


宝探し。ピーター・ジェニスケンスとSETIとNASAの共同研究者たちが高所と低所から隕石を探している。
CREDITS: NASA/ERIC JAMES; (INSET) NASA/COURTESY OF DR. PETER JENNISKENS


4月22日日曜日の午前8時ごろ、灼熱の、ミニバンサイズの岩石の塊が宇宙からカリフォルニア州とネヴァダ州の上空を横切って筋を描いた。それが起こしたソニック・ブームははるか遠くワシントン州でも検知された。目撃者たちは立ち止まって火球を写真に収めた。それは下降中に4キロトンのTNTの力で爆発した。そのほとんどは蒸発したが、残った断片が小さな黒い隕石となってカリフォルニア州のコロマ(Coloma)とロータス(Lotus)の町に降り注いだ。

このサッターズ・ミル隕石(Sutter's Mill meteorite)は、近くにあるカリフォルニアのゴールド・ラッシュの引き金となった、1848年の金鉱発見の地から命名された。それはすぐにSETI研究所とNASAエイムズ研究センター(カリフォルニア州マウンテン・ヴュー)の天文学者、ピーター・ジェニスケンスの注意をつかんだ。スーダンで収集活動を率いたこともある熟練した隕石ハンターであるジェニスケンスは、すぐに行動にかかり、断片を見つけて分析するための科学者のコンソーシアムを組織した。今週、彼と69人の共著者たちはその研究結果を1583ページに提示する。X線と同位体の分析を含む無数のテストを経て、彼らはこの隕石が珍しいタイプの炭素質コンドライトのこれまで収集された中でもっとも汚染の少ないサンプルであり、たぶんNASAがいつか天文学者たちに送ったであろう原始的小惑星の覆面試写会であろうと結論づけた。

科学者たちは小惑星と彗星に魅せられている。太陽系がおよそ45億年前に形成されたときのその最初の化学組成を繁栄するためだ、とマサチューセッツ工科大学(ケンブリッジ)の惑星科学者、リチャード・ビンゼル(Richard Binzel)は話す。彼はこの新しい研究に関わっていない。その化学的性質の多くが、とくにアミノ酸などの不安定な炭素による化合物が、反応性の高い地球の大気で失われうる。隕石の上で呼吸するだけのことがその壊れやすい化学物質を分解したり、それを汚染したりしうる、とビンゼルは話す。だから隕石をできる限り素早く回収することがきわめて重要である。サッターズ・ミル隕石のありかを素早く突き止めるジェニスケンスの努力は「模範的」だと彼は話す。

次の降雨までに隕石のサンプルを回収したいと願い、隕石の最初の目撃の翌火曜日に、ジェニスケンスは自分の車を飛ばしてロータスまで運転した。惑星科学研究所(アリゾナ州トゥーソン)の隕石学者、マーク・フリーズ(Marc Fries)はジェニスケンスが気象レーダーで降下した隕石の位置を突き止めるのを手伝っていた。それはフリーズが開発した技術で、世界中で隕石をより速く回収できるようにしている。ジェニスケンスが着くまでに、プロの隕石ハンター、ロバート・ウォード(Robert Ward)がすでに最初の発見をしていた。道ばたにあった5.6グラムの塊だ。ある州立公園での最初の調査に失敗した後、ジェニスケンスは駐車場で下を見て第二の隕石を見つけた。それは4グラムで、車のタイヤによって破壊されていたが多くがまだ無事だった。

ラボに戻ると、NASAジョンソン宇宙センター(テキサス州ヒューストン)の宇宙鉱物学者、マイケル・ゾレンスキー(Michael Zolensky)はその隕石を割って、それらを電子顕微鏡で観察した。酷い扱いにもかかわらず、轢かれていた隕石にはオルダマイト(oldhamite)の栗茶色の結晶がまだ含まれていた。これは黄鉄鉱に似た光沢を持つ珍しい鉱物で、太陽系が形成されたときに太陽系星雲の中で生じたものだと考えられている。オルダマイトは反応性が高い。「もし隕石をアルコールや水で磨いていたら、それはなくなっていただろう」とゾレンスキーは話す。このサンプルの同位体分析はサッターズ・ミル隕石が、太陽系の夜明けからほとんど変わっていない鉱物を含む、珍しいCM型炭素質コンドライトだったことを示す。このタイプの隕石で回収されているものは少なく、オルダマイトのような壊れやすい化合物の検出に間に合ったものはなかった。

木曜日に雨が降り出した。だが隕石の調査は続けられた。ヴォランティアたちは40℃以上の暑さの昨夏も、地元民に彼らの所有地へのアクセスを得る交渉をしながら、地域をくまなく探し続けた。ジェニスケンスとカリフォルニア大学デイヴィス校の隕石学者、イン・チンチュ(Qing-Zhu Yin、尹慶朱)はタウン・ミーティングを開き、人々に虹色の溶融殻による真っ黒な隕石の見分け方と、手で触れるのでなくアルミフォイルでの隕石の扱い方を教えた。アレックス・ウォルフグラム(Alex Wolfgram)はそれまでに隕石を捕らえられなかった地元民の一人だ。彼がカヤックをしているあいだに砂浜で小さな隕石を見つけたとき、彼はそれを拾い上げて濡れたライフジャケットの中にしまいこんだ。その後、彼はその破片を使って地質学者のガールフレンドに求婚した。

全体で、チームは77個の隕石を回収し、合計重量は943グラムになった。届けられる破片が増えるにつれて、この隕石が宇宙空間で衝突した異なった小惑星の小片の混成物だったことが明らかになってきた。オルダマイトのような、極めて高温の、乾燥した、還元条件下で形成された鉱物と、アミノ酸のような低温の、湿った条件下で形成された化合物の存在は、隕石の違った部分がまったく異なる熱的および化学的履歴を持っていることを示す、とゾレンスキーは話す。チームは最近、隕石の中にダイアモンドも見つけた、と彼は話す。「それはこれらのいずれの環境にも属さないものだ」

火球の写真とビデオから、ジェニスケンスは小惑星が典型的な速さの二倍の速さ――記録は26.8 km毎秒――で、地球の赤道に対して低角で、地球の大気に突入したと測定した。その情報と断片が宇宙空間で宇宙線に曝露していた時間の推定値とを組み合わせて、彼はそれが木星と火星の間の小惑星帯の内側領域から来て、木星族彗星と似た軌道をなぞってきたと算出した。隕石の出所を突き止め、それがどこに落ちたかをすぐに調べる利用可能な技術を使えたことは「大きな成功」だとビンゼルは話す。「これらの新鮮なサンプルの科学的重要性はどんなに強調しても誇張ではない」。いま、科学者たちが必要としているのは、サッターズ・ミル隕石の元となったタイプの小惑星のサンプルを宇宙に行って取ってくることだ、と彼は話す。「この隕石を宇宙空間にあるその起源と結びつけることができれば、太陽系の文脈での研究の金鉱になるだろう」

Science, News & Analysis
Emily Underwood
Sutter's Mill Meteorite Produces Mother Lode of Research
Science 21 December 2012: Vol. 338 no. 6114 p. 1521
DOI: 10.1126/science.338.6114.1521

原論文
Peter Jenniskens, et al.
Radar-Enabled Recovery of the Sutter’s Mill Meteorite, a Carbonaceous Chondrite Regolith Breccia
Science 21 December 2012: Vol. 338 no. 6114 pp. 1583-1587
DOI: 10.1126/science.1227163
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