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ネズミの穿孔行動の遺伝学

行動遺伝子が発掘された



高速なシーケンシングが野生ハイイロシロアシマウスにおける穿孔行動の遺伝学的分析を確かめる

Ewen Callaway
16 January 2013


Paul jackman/Nature

家庭での実験として行われたのだが、ホピ・ホークストラ(Hopi Hoekstra)の実験は普通でなかった。彼女はカリフォルニア州サンディエゴにある彼女のガレージに巨大な合板の箱を構築し、それに1トンの土壌を満たし、そして一匹のペットのマウスに穴を掘らせた。

「この装置はその継ぎ目で決壊していて、ダクトテープを貼ってつなぎ止めていた」と現ハーヴァード大学(マサチューセッツ州ケンブリッジ)の進化生物学者であるホークストラは話す。「でもそれはちゃんと役目を果たした。」それのおかげで彼女はコントロールされた条件で穿孔行動の遺伝学を研究できた。巣穴のプラスチックキャストと最新のシーケンシング技術を引っさげて、ホークストラのチームはハイイロシロアシマウス(Peromyscus polionotus)が精巧な2本のトンネルからなる巣穴を構築するのに、その近縁種のシカネズミ(Peromyscus maniculatus)が地面に1本の単純な穴を作ろうとする理由を部分的に説明する、遺伝子のクラスターを発見した。

この研究結果は猛烈なスピードで進行中のゲノム学革命の利益が過小評価されていることを気づかせてくれる。安価で高速なDNAシーケンシング技術のおかげで、行動の遺伝学に興味を持つ科学者たちは一握りの好みの研究室生物に限定する必要がない。彼らは野生で観察される行動の遺伝的土台を探求し、それらがどのように進化したかについての知見を収集することができる。「私の考えでは、自然の個体群および生物の遺伝子と行動のあいだの繋がりは生物学における次の大きなフロンティアだ」とホークストラは話す。

ハイイロシロアシマウス(oldfield mice)は合衆国南東部に土着の動物で、そこで彼らは砂浜海岸からシルトに富んだ粘土までに及ぶ土壌に穿孔する。彼らが掘る場所にかかわらず、彼らの穴はよく似た外見をしていて、一つの長いエントランス・トンネルと、地表からすぐの場所で止まる捕食者から避難するための二番目のトンネルがある。そのような不変性はこの特性がDNAにエンコードされていることをほのめかす、とホークストラは話す。

どこなのか解明するために、彼女と彼女のハーヴァードの共同研究者、ジェシー・ウェバー(Jesse Weber)とブラント・ピーターソン(Brant Peterson)はハイイロシロアシマウスをシカネズミと異種交配させた。シカネズミ(deer mice)の巣穴は浅くて避難ルートがない。その子孫は複雑なトンネルを構築し続け、ハイイロシロアシマウスの穿孔遺伝子が優性であることを示した(‘The genetics of burrowing’図参照)。

第一世代雑種とシカネズミの間の第二ラウンドの交配は、巣穴の長さに結びつく遺伝子が避難トンネルに影響する遺伝子とは別個であることを明らかにした。一部の子孫は避難ルートがある短いトンネルを作ったが、他の子孫は避難ルートがない長いトンネルを作った。DNA分析は3つの遺伝子領域がトンネルの長さの変異のほとんどに寄与し、4番目が避難トンネルの掘削に影響することを明らかにした。



「この論文は素晴らしい」とロックフェラー大学(ニューヨーク)の神経遺伝学者、コーネリア・バーグマン(Cornelia Bargmann)は話す。それは最先端の分子遺伝学ツールと確立された異種交配交配技術を組み合わせて、野生で1世紀以上にわたって観察されてきた行動を研究するものだ、と彼女は言う。過去には、行動を解き明かすことに興味を持つ遺伝学者たちは、変異体およびトランスジェニックの血統と遺伝学データが利用可能な研究室動物に集中しなくてはならなかった、と彼女は話す。「しかし野生動物にはもっと面白いと思われる疑問がいつもあった。」バーグマンと彼女のチームはさまざまなCaenorhabditis elegansセンチュウの野生株を研究し、新しい食料源を捜し出すことに関与する遺伝子と脳回路を特定した。

安価なゲノムシーケンシングがこの新しい行動遺伝学の基礎だ。今週Nature誌のウェブサイトに発表された論文の中で、ローザンヌ大学(スイス)のローラン・ケレー(Laurent Keller)チームは何百匹ものヒアリ(Solenopsis invicta)をシーケンシングし、一部のコロニーには一匹の女王しかいないのに他のコロニーが複数の女王を許している理由を説明する領域を特定した。この領域は何百もの遺伝子を含み、ケレーは他の昆虫に見られる大多数の行動的違いもそのような「社会的染色体」で説明されると考えている。

これらの研究は野生で見られる行動の進化への手がかりをもたらす、とフレッド・ハッチンソン癌研究センター(ワシントン州シアトル)の進化遺伝学者、キャサリン・ペイチェル(Catherine Peichel)は話す。未発表の研究の中で、ペイチェルと彼女のポスドク、アンナ・グリーンウッド(Anna Greenwood)はイトヨにおける魚群行動の違いを説明する遺伝子を発見している。海棲の変種は密集した魚群で遊泳するが、淡水棲の変種は単独で遊泳する。そのような行動はたぶん異なった環境のために選択されたのだろう――捕食者がいっぱいいて隠れる場所が少ない海と植生の多い水流の違い。そしてホークストラは彼女の研究結果がネズミにおける複雑な穿孔行動が、より単純な掘削行動を起こさせる遺伝的モジュールを組み合わせることによって、一つずつ進化したことを示すと話す。

ホークストラのチームは穿孔行動にとって重要な領域が嗜癖行動に関与する遺伝子を含むことをすでに見つけていた。「これらのマウスを見たとき、彼らが穿孔行動という嗜癖を持ってるようにしか見えない」とホークストラは話す。「これらのハイイロシロアシマウスを1匹、穿孔箱の1つに落とすと、すぐに掘り始める」

どの遺伝子が役割を果たしているかの究極の証明は、ハイイロシロアシマウスの遺伝子を挿入することによって複雑な巣穴を構築するシカネズミを作り出すことになるだろう、とホークストラは話す。それらの実験はゲノム工学が一握りの哺乳類にしか使えなかった数年前には考えられなかったことだ。だがこれは想像できないことではない、とバーグマンは話す(Nature 455, 160–164; 2008参照)。

Nature News
Behaviour genes unearthed
Ewen Callaway, 16 January 2013
Nature 493, 284 (17 January 2013) doi:10.1038/493284a

原論文
Jesse N. Weber, Brant K. Peterson & Hopi E. Hoekstra
Discrete genetic modules are responsible for complex burrow evolution in Peromyscus mice
Nature 493, 402–405 (17 January 2013), Published online 16 January 2013
doi:10.1038/nature11816
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