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一夫一婦を進化させた原因

Michael Balter

一夫一婦制は子殺しを防ぐために進化したらしい



2013-07-29 15:15


Andrew Winning/REUTERS
私たちの子どもに触らないで! 研究は一夫一婦が子どもをオスのライバルによる殺害から守るために進化したことを示す。


「ときどき男性と女性は互いにふさわしいだろうかと思うことがある」とかつてキャサリン・ヘプバーン(Katharine Hepburn)は話したことがある。「もしかすると二人は隣に住んでちょくちょく合うべきなのかもしれない」。この有名な女優の意見があっても、たとえ期間や貞節の程度はさまざまであったとしても、ヒトのオスとメスは一夫一婦のペアで一緒に住む強い傾向を持つ。まさにそのような行動がどのように生じたのか、研究者のあいだで多くの議論の対象になってきた。新しい研究はおどろくべき結論に達している。霊長類(もしかするとヒトを含む)では一夫一婦制は子どもをライバルオスによる殺害から守るために進化したというのだ。

ペアで住むことを研究者たちは社会的一夫一婦制と呼ぶ。社会的一夫一婦制は動物のあいだで繰り返し進化してきた。ただし、グループが違うと割合も広く変わるけれども。鳥類の約90%の種は社会的一夫一婦制であり、その理由はたぶん卵を孵して雛を育てることが両方の親を必要とするフルタイムの仕事だからだろう。しかし哺乳類では、メスは赤ちゃんを体の内側に持ち、子どもへの授乳も一人でやる――そして約5%の種しか社会的一夫一婦制ではない。そのため、ほとんどの哺乳類のオスは自由に浮気して他のメスを妊娠させる。だが、霊長類は特殊なケースであるように思われる。霊長類の約27%の種が社会的一夫一婦制だ。そしてユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの人類学者、クリストファー・オーピー(Christopher Opie)と彼の共同研究者たちによる最近の研究は、社会的一夫一婦制が約1600万年前という、霊長類の進化のなかで比較的新しく生じたと結論づけている。(最古の霊長類は約5500万年前にさかのぼる。)

しかしそもそも、できるだけ多くのメスへのアクセスを持つことに多くの生殖的優位性があるのに、なぜ社会的一夫一婦制は霊長類を含む哺乳類で生じたのだろうか?社会学者たちは3つの主な仮説を提唱している:鳥類と同様に、一夫一婦制は子どもにより効果的な親の保護をもたらす;一夫一婦制はメスがライバルのオスとつがうのを妨げる。とくにメス同士の距離が広く空いていて一匹のオスがすべてを簡単には独占できない場合;あるいは、子殺しのリスクから守るため。子殺しはチンパンジーやゴリラを含む、一部の霊長類の種で非常に高い割合で見られ、母親を繁殖力がある状態へと素早く戻して自分の子孫を産ませられるようにしたい、というライバルオスの欲求によってしばしば説明される。一部の研究者たちは3つの要素、そしてもしかするとさらに他の物を含めた、すべての組み合わせが一夫一婦制のいちばんいい説明になると考えている。

この議論を解決することは、とくにヒトの結婚行動の進化を理解するために、重要だと研究者たちは話す。ヒトは完全な一夫一婦ではないが、「ヒトにおけるペアボンド性の出現は、我々の種の運命を劇的に変えた、大きな進化的移行だ」とテネシー大学(ノックスビル)の進化生物学者、セルゲイ・ガヴリレツ(Sergey Gavrilets)は話す。多くの研究者たちは、子どもの脳が完全なサイズへと成長するのに必要な長い無力な期間に共同した親の保護がなければ大きな脳を進化させられなかったと考えている。「そのように移行させた力を理解することで、ヒトの独自性の原因をもっとよく理解できるようになる」とガヴリレツは続ける。

オーピーと彼の共同研究者たちはベイズ統計学と呼ばれる強力な手法を使って霊長類における3つの主導的仮説のテストに着手した。チームはこれまでに発表された、旧世界ザルと新世界ザル、キツネザル、類人猿などほぼ全ての知られている種からなる、230種の霊長類の遺伝的および行動的データを使った。データの信頼性を保証するために、データの採用には厳格な基準を設けた。たとえば、チームは直接の観察を通してか唯一の可能性のある説明として子どもの殺害を報告する論文が少なくとも20点以上ある場合にのみ、特定の種が子殺しを行うと結論づけた。ベイズ法のおかげで、研究者たちは霊長類の行動についての情報をこのグループ全体の進化ツリー上にマップし、社会的一夫一婦、子殺しをはじめとする行動などの形質が時間軸上で生じた順番を分析することができる。

チームが今日、米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences)にオンラインで報告した論文によると、ペアで生活するおよそ60種の霊長類においてすべての3つの仮説――両親の保護、メスの行動範囲、オスによる子殺し――と社会的一夫一婦制の発生の時期のあいだに強い相関があった。ところが、3つの説明のなかで、子殺しだけが実際に時期が社会的一夫一婦に先行していて、進化的推進力だった可能性がある、とチームは結論づけている。他の2つの行動は後に起こっていて社会的一夫一婦制の結果であって原因ではなかった。では「我々の分析は霊長類では子殺しが一夫一婦制の引き金だったことを明瞭に示す」とともにヒトにおける引き金でもあった可能性が高い、とオーピーは話す。

なぜ霊長類では社会的一夫一婦の発生は27%と哺乳類全体での5%よりはるかに高いのだろうか?オーピーと、オックスフォード大学の心理学者、ロビン・ダンバー(Robin Dunbar)――霊長類に典型的な複雑な社会グループが脳を大きくする原因となったという考えで有名――を含む彼の共同研究者たちは一つの答えを持っている。脳が大きい霊長類の子どもは、とくに類人猿とヒトでは、他の哺乳類より無力な期間が長いため、子殺しに対してはるかに脆弱で、より多くの保護を必要とする。

それにもかかわらず、この研究に対する反応はさまざまだ。「私はこの論文はきわめて信頼性が高いと思う」とチューリヒ大学(スイス)の霊長類学者、カレル・ファン・シャイク(Carel van Schaik)は話す。彼は以前に子殺し仮説を主張していた。すべての霊長類にとって「この結果は非常に確かだ」

しかしファン・シャイクは「この論文から子殺しのリスクがヒトでも一夫一婦制の根底にある主要因子だったと結論づけるのは非常に慎重にならざるをえない」と話す。理由の一つは、世界じゅうの文化の研究が示すように、ヒトが完全な一夫一婦ではないためだ。「現在の一夫一婦制は社会的に押しつけられたものだ」

スターリン大学(英国)の心理学者、フィリス・リー(Phyllis Lee)も同意する。「ひいき目に見ても我々は連続一夫一婦制の形態でやっている」と彼女は話し、60%以上の「伝統的社会」が男性に1人より多い妻を許していることを指摘する。子殺しは一夫一婦制でないたくさんの霊長類の種の特徴であり、「だから一夫一婦制は子殺しに対する唯一の進化的解ではない」とリーは続けた。

事実、今週サイエンス誌(Science)に発表された論文はすべての哺乳類にわたって一夫一婦制を調べ、まったく違う結論に達している。ケンブリッジ大学(英国)の動物学者、ティム・クラットン=ブロック(Tim Clutton-Brock)とディーター・ルーカス(Dieter Lukas)は2545種のヒト以外の哺乳類での一夫一婦制を分析した。霊長類でのオーピーの結論とは対照的に、彼らはこのより大きなサンプルから社会的一夫一婦制がメスの距離が広く空いていてオスがいちどに複数を独占できない種のなかに生じていることを見いだした。子殺しはすべての哺乳類では一夫一婦制への推進力ではないようだった。オーピーはメス同士の距離が広く空くことは高度に社会的な、グループで生活する霊長類には当てはまらないので、ヒトは(もしかするとすべての霊長類は)哺乳類のなかで特殊なのかもしれない、と反論する。そうだとすると、哺乳類を一律に見ることは霊長類進化の特別な特徴を覆い隠してしまうと、彼は話す。

それでもやはり、カルガリー大学(カナダ)の生態学者、ペトル・コメルス(Petr Komers)は、子殺しが「一夫一婦の唯一の可能性のある駆動力」だとする著者たちの結論が「少し意外」だと思ったという。彼は社会的一夫一婦制についてのメスの行動範囲仮説の指導的主唱者だ。コメルス自身の研究は、クラットン=ブロックの研究と同様に、哺乳類では社会的一夫一婦制とメスが限られた範囲にとどまる種のあいだに最も高い相関があることを見いだした。「一夫一婦制は[有蹄類(蹄のある哺乳類)など]子殺しがありそうにない種で進化している」とコメルスは注意する。したがって、どの要素も一夫一婦制を進める「銀の弾丸」ではなく、研究者たちは複数の説明の相互作用を探求すべきだ、とコメルスは話す。

Science NOW
Monogamy May Have Evolved to Prevent Infanticide
Michael Balter, 2013-07-29 15:15

原論文
Christopher Opie, Quentin D. Atkinson, Robin I. M. Dunbar, and Susanne Shultz
Male infanticide leads to social monogamy in primates
PNAS July 29, 2013, Published online before print July 29, 2013
doi: 10.1073/pnas.1307903110

D. Lukas and T. H. Clutton-Brock
The Evolution of Social Monogamy in Mammals
Science Published Online July 29 2013
DOI: 10.1126/science.1238677
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