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欧州の農耕爆発は人口移動

古代DNAによるとヨーロッパで最初の農耕民ははるか遠くから来た



Michael Balter


非農耕民。ホーレンシュタイン・シュターデル(ドイツ)で発掘されたこれらの8700年前の狩猟採集民の頭骨から採られた古代DNAから、彼らが後の農耕民の祖先ではなかったことが分かった。
CREDIT: IVONNE MÜHLEIS, LANDESAMT FÜR DENKMALPFLEGE, BADEN-WÜRTTEMBERG


約11,000年前、中東で農耕は狩猟採集生活様式に置き換わり始めた。はじめは、農業は現在のトルコ、ギリシア、ブルガリアを経てヨーロッパへとゆっくり広まった。しかし約7500年前、農耕は中央ヨーロッパで急に流行りだし、ほんの数世紀のうちにハンガリーとスロヴァキアの震源から東はウクライナ、西はフランスにまで広がった。四角い家が建ち上がり、それをウシのための牧草地とコムギやオオムギの畑が取り囲んだ。この農耕爆発を引き起こしたのが農耕民自体の大規模移住(いわゆる人口移動)だったのか、それとも農耕の考え方の拡散(いわゆる文化伝播)だったのかについて、研究者たちは長年議論していた。

今週サイエンス誌(Science)に発表された論文のなかで、ヨーロッパの研究者たちは、初めてヨーロッパの狩猟採集民と初期農耕民の古代DNAを直接比較して、この問題に重要な新データを提示した。彼らは外側の入植者たちが中央ヨーロッパに農耕をもたらしたと結論づけた。それは「今までは信じられなかったような大規模な移住イベント」だったとチームの共同リーダーである、ヨハネス・グーテンベルク大学マインツ(ドイツ)のヨアヒム・バーガー(Joachim Burger)は話す。

他の研究者たちは感銘を受けたが慎重である。「非常に確固たる結果」をともなう「重要な論文だ」とユニバーシティ・カレッジ・コーク(アイルランド)の考古学者、ロン・ピンハシ(Ron Pinhasi)は話す。彼は先週にこれら2つのグループの頭骨の研究から同様の結論を報告した人物だ。リーズ大学(英国)の考古遺伝学者、マーティン・リチャーズ(Martin Richards)は「とても興奮せずにはいられなかった」と話す。ただし彼自身の以前の研究は文化伝播を支持している。しかしリチャーズらはこの研究結果が部分的にコンタミネーションのせいである可能性があると注意する。長年にわたって古代DNA研究を悩ますアキレスのかかとだ。

本研究のなかで、ヨハネス・グーテンベルク大学のバーガーの同僚であるバーバラ・ブラマンティ(Barbara Bramanti)が率いる研究者たちは、彼女らが4年前にサイエンス誌に発表した論文を建て増した。その論文は初期農耕民の古代ミトコンドリアDNAと現生ヨーロッパ人のmtDNAとのあいだに違いを見いだし、多くの研究者によって文化伝播を支持するものと解釈された。

新しい研究は25体の初期農耕民の骨格および20体の狩猟採集民から採られた古代mtDNAの完全な配列を読むことでさらに推し進めた。それによって二つの古代グループの直接比較ができるようになった。これらの骨は以前にリトアニア、ポーランド、ロシア、およびドイツの遺跡で発掘されたもので、年代は約15,000年前から4300年前だ。

チームは農耕民のmtDNA配列が狩猟採集民のものと遺伝的に大きく違っているため、彼らは近縁ではあり得ないことを見いだした。たとえば、狩猟採集民の骨格はU4およびU5と呼ばれる2つの遺伝子マーカーが高い率で存在するが、それらは農耕民では見つからなかった。そして農耕民はN1aよおびHというマーカーを保持していたが、それらは狩猟採集民には見つからなかった。したがって、最初の農耕民は地元民と直接結婚しない移民であった。

チームはこれらの2グループの古代mtDNAを484人の現生ヨーロッパ人のmtDNAとも比較した。狩猟採集民と現生ヨーロッパ人のあいだには少ない遺伝的類似性しかなく、ほとんどの現生ヨーロッパ人の祖先は外来の農耕民であり、土着の人びとでなかったことを示す。さらにチームは初期農耕民の現生人類のあいだの遺伝的差異が遺伝的浮動だけから予測されるよりも大きいことも見いだした。これは介在イベント――さらなる移住の波や居残った狩猟採集民との後代の混血など――が現生ヨーロッパ人の遺伝子プールを形づくったことを示唆する。

ピンハシによると、それが正しいなら新しい研究結果は現生人類のDNAを使って古代の個体群について結論を導くことに警鐘を鳴らすという。その方法が古代DNAの研究によって補完され始めたのは最近になってのことだ。「初期農耕民の遺伝的特徴の多くが後[の移住]で一掃されている可能性がある」と彼は話す。

しかしリチャーズは狩猟採集民――古代DNAが採取されたことは素晴らしいが――のサンプルサイズが一掃論の結論を出すのには小さすぎると指摘する。狩猟採集民が地域によって様々であったら、農耕民との直接比較は信頼性が低くなるだろう。ジャック・モノー研究所の古代DNAの専門家、エヴァ=マリア・ガイグル(Eva-Maria Geigl)はチームの研究結果は独立したラボで再現されておらず、コンタミネーションの可能性が完全には排除できないとつけ加える。「これは大きな問題だ」と彼女は話す。ブラマンティは「ヒューマン・コンタミネーションを完全に除外するのは不可能」だと反論するが、それを最小化するよう「細心の注意を払った」とつけ加える。

研究者たちによると、次のステップはこれらの移住農耕民がどこから来たかを見つけることだ。バーガーとピンハシはすでにトルコ西部とヨーロッパ南東部で掘り出されたばかりの骨格を探しているところだ。

元記事
Michael Balter
Ancient DNA Says Europe's First Farmers Came From Afar
Science 4 September 2009: Vol. 325 no. 5945 p. 1189
DOI: 10.1126/science.325_1189

原論文
B. Bramanti, et al.
Genetic Discontinuity Between Local Hunter-Gatherers and Central Europe’s First Farmers
Science 2 October 2009: Vol. 326 no. 5949 pp. 137-140 Published Online September 3 2009
DOI: 10.1126/science.1176869
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