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軟骨魚類初のゲノム解読

なぜサメには骨がないのか



ゾウギンザメのゲノム――軟骨魚類で初――が脊椎動物の初期進化を明らかにする。

Brendan Borrell

08 January 2014


Norbert Wu/Minden Pictures/Getty Images
ゾウギンザメは過去4億2000万年に少ししか変わっていないため、そのDNA配列は他の脊椎動物種との比較に有用だ。


大きな鼻を持ったへんちくりんな魚はゲノム配列が読まれた最も原始的な有顎脊椎動物となった。ゾウギンザメのDNA配列はサメがなぜ軟骨骨格を持ち、ヒトなどの脊椎動物がどのように進化して免疫を獲得したかを説明するのに役立つ。

ゾウギンザメ(カロリンクス・ミリイ Callorhinchus milii)はギンザメ類と呼ばれる軟骨魚類の初期に進化的に分かれた枝の一部であり、サメ類やエイ類に近縁だ。それらはオーストラリア南部とニュージーランドの沖の深海を泳ぎ回り、その目立つ鼻を使って砂に埋まった貝類を狩る。ゾウギンザメはヒトを襲わないことが分かっているが、背鰭に長さ7センチメートルの棘を備えていて、捕食者に対する防御に使われる。

6年前、科学者たちはC・ミリイのゲノムが比較的小さかったため――ヒトゲノムの約三分の一のサイズ――、それを配列を読む最初の軟骨魚類に選びだした。「両生類、鳥類、哺乳類ではすでに多くのゲノムがあるが、サメ類はなかった」と研究の著者でシンガポール科学技術研究庁の比較遺伝学の専門家、ビラッパ・ヴェンカテッシュ(Byrappa Venkatesh)は話す。

海のダンボ
ゾウギンザメは初期の有顎脊椎動物でおよそ4億2000万年前に硬骨魚類が現れて以来、少ししか変わっていないため――そのため知られているすべての脊椎動物の中で進化が最も遅い――、比較遺伝学にとって重要な基準となっている。「我々はこれを今後数年のリファレンスとして使うことになる」とヴェンカテッシュは話す。そのゲノムは今日ネイチャー誌(Nature)に発表された。

これまでに、科学者たちは8種の硬骨魚類とヤツメウナギと呼ばれる2種の無顎脊椎動物のゲノムの配列を読んできた。サメ類、ガンギエイ類、エイ類、およびギンザメ類は骨でなく主に軟骨でできた骨格を持つ点で他の有顎脊椎動物から離れている。どの遺伝子が骨形成にかかわるかは分かっているけれども、サメ類が骨形成の能力を失ったのか、それともはじめからそれを持っていなかっただけなのかは明らかでなかった。なんといっても、サメ類は歯と鰭棘の中に骨を作っているのだ。

配列によってこのグループのメンバーが軟骨を骨へと変える過程を調節する一つの遺伝子ファミリーを失っていることが明らかになった。また遺伝子重複イベントが硬骨脊椎動物への変形を引き起こしたことも分かった。実際に、研究者たちがゼブラフィッシュでこれらの同じ遺伝子の一つをノックアウトすると、骨を形成する能力が著しく減少した。オレゴン大学(ユージーン)の発生生物学者、ジョン・ポスルスウェイト(John Postlethwait)はこれらの研究結果を「明解だ」と評している。彼は南極のコオリウオ(ノトテニア亜目)という、進化の過程で骨を形成する能力を失った魚をを研究していて、ゾウギンザメのゲノムから失われているのと同じ遺伝子の欠損があるかどうかを調べようとしている。

免疫の進化
C・ミリイのゲノムは獲得遺伝の進化についての重要な問題への答えにも役立つ。獲得形質はワクチン接種の基礎でありヒトをはじめとする脊椎動物が新しい病原体と戦うことを可能にしている。ゾウギンザメはウイルスには感染した体細胞を直接破壊するキラーT細胞はあるが、感染への免疫応答全体の制御を助けるヘルパーT細胞がない。新しい配列データは獲得形質が一段階という以前の考えとは違って二段階の過程で進化したことを示す。

北アメリカのレウコラジャ・エリナケア(Leucoraja erinacea、ガンギエイの一種)やハナカケトラザメ(Scyliorhinus canicula)を含む、さらなる軟骨魚類の配列を読む努力が進行中である。

肢がどのように魚類の鰭から進化したかを研究しているパラ連邦大学(ブラジル)の進化生物学者、イゴル・シュナイダー(Igor Schneider)はこの配列データを彼自身の研究に使ったら凄いと思っている。「ゾウギンザメのゲノムは比較解剖学の研究に非常に貴重なツールを提供する」と彼は話す。彼はそれが「陸上生物に向けての遺伝的ステップ」を特定するのに役立つことを望んでいる。

元記事
Nature News
Why sharks have no bones
Brendan Borrell 08 January 2014
Nature doi:10.1038/nature.2014.14487

原論文
Byrappa Venkatesh, Alison P. Lee, Vydianathan Ravi, Ashish K. Maurya, Michelle M. Lian, Jeremy B. Swann, Yuko Ohta, Martin F. Flajnik, Yoichi Sutoh, Masanori Kasahara, Shawn Hoon, Vamshidhar Gangu, Scott W. Roy, Manuel Irimia, Vladimir Korzh, Igor Kondrychyn, Zhi Wei Lim, Boon-Hui Tay, Sumanty Tohari, Kiat Whye Kong, Shufen Ho, Belen Lorente-Galdos, Javier Quilez, Tomas Marques-Bonet, Brian J. Raney et al.
Elephant shark genome provides unique insights into gnathostome evolution
Nature 505, 174–179 (09 January 2014) Published online 08 January 2014
doi:10.1038/nature12826
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