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キノコの誕生と石炭の終焉

炭素循環の痕跡を追う:太古の菌類は石炭形成にどのように影響したか

June 28, 2012

釘一本が足りないために、ということわざでは最後に一つの王国がなくなる。同じような、無害に思われる変化――キノコの系統のの進化――が炭素循環に甚大な衝撃を与え、石炭鉱床が形成された6000万年の時代に終わりをもたらした。


写真: 白色腐朽菌類Punctularia strigosozonataによって腐敗した木材の走査型電子顕微鏡像(Robert Blanchette, University of Minnesota)

米国エネルギー情報局によると、2010年の米国での電力消費4兆キロワット時のうち、半分近くを石炭が発電した。この燃料は実はおよそ3億6000万から3億年前まで生息していた化石化した植物の遺骸である。米国エネルギー省共同ゲノム研究所(DOE JGI)の研究者たちを含む、科学者たちの国際チームは石炭紀――大量の現在、石炭鉱床となっているものにちなんで名付けられた――の終わりに寄与した新しい原因を提唱した。証拠はScience誌の6月29日版にオンラインで発表された。それは、植物細胞壁を丈夫なままに保つのを助ける、リグニンのポリマーを分解する能力がある菌類の進化が、石炭鉱床の発達の終焉に重要な役割を演じたかも知れないことを示している。新しい菌類の登場とともに、死んだ植物の物質はその基本的な化学的構成要素へと完全に分解されることができるようになった。最終的に石炭へと変形する泥炭として集積する代わりに、大量の植物バイオマスが分解され、二酸化炭素として大気中に放出された。「我々はこれが生物学と地質学の教科書に載るようになることを望んでいる」とクラーク大学の生物学者、デイヴィッド・ヒベットは話した。彼は何十種もの菌類の完全なゲノムを比較する、包括的な研究の筆頭著者である。ゲノムのほとんどはDOE JGIで解読された。「石炭形成について読んだら、普通は物理的過程という観点で説明され、石炭鉱床の形成割合はペルム紀-石炭紀の終わりで急落すると書かれている。それはなぜ起こったのか?さまざまな説明がなされてきた。白色腐朽菌類の進化は一つの原因――たぶん主要な原因――だった可能性がある。いったん白色腐朽菌類が出てくれば、リグニンを分解
できる。リグニンは石炭の主要な前駆体である。だから白色腐朽菌類の進化は石炭循環の進化において非常に重要なイベントだ」

「この'破壊不能なもの'を分解できる酵素の発明という考え方は本当に素晴らしい」と南カリフォルニア大学のウィングリー環境研究チェアーで地球科学および生物科学教授のケネス・ニールソンは話した。「安定な(食べられない)形の生物炭素が食べられるようになる(そして長期にわたって埋まるのが難しくなる)というアイディアは、過去の地球のエネルギー貯蔵だけでなく、それが現在の炭素の滞留と貯蔵に意味するところでも、我々の見方を変える。その意味でこのアイディアは過去と現在についての我々の考えに大きな衝撃を持つ」

それらの研究のために、ヒベットと彼の共同研究者たちは担子菌類に焦点を当てた。それは、ほとんどの人が菌類と聞いて連想する、親しみ深い傘と柄の外見を持つキノコの種類を含む。担子菌類は乾腐菌などの褐色腐朽菌類も含む。それは、建築材の中のセルロースを分解することによって家屋を破壊することができるが、リグニンは手つかずのまま残す。また、担子菌類は今回の白色腐朽菌類も含む。それはパルプ・製紙産業にとって興味深いことに、両方のタイプのポリマーを分解することができる。この研究で比較された31種の褐色腐朽菌類と白色腐朽菌類のゲノムのうち、26種がDOE JGIで解読された。それには菌類の各目の代表を増やすためにこの研究のために行われた12種が含まれる。


写真: 「カワラタケ」Trametes versicolor (Nathan Wilson)

DOE JGI菌類ゲノム学プログラムの座長、イゴール・グリゴリエフによると、この包括的な菌類のゲノム研究は、セルロースのようなバイオポリマーを単純な糖類へと変換する菌類の酵素を実用化して生物燃料生産を最適化するという、DOEのミッションへの支持への絶え間ない興味を強調する。この研究の中で、グリゴリエフと彼の共同研究者たちは最初のリストを成長させるのに寄与し続けている。「DOE JGIではじめて配列決定された菌類は、最初の白色腐朽菌類のゲノムでもあった」と彼は話した。「数年後、我々は最初の褐色腐朽菌類の配列を解読した。最初の菌類ゲノムから10年以内に、我々は最初の木材腐朽菌類の大規模な比較を提出している」

利用可能な複数の菌類ゲノムとともに、チームはDNA配列を比較して、材の腐朽に関与する酵素をエンコードする遺伝子ファミリーを探した。彼らは特に、クラスⅡ菌類ペルオキシダーゼと呼ばれる酵素に集中した。それらは白色腐朽菌類の系統に存在するが褐色腐朽菌類には存在しないことが判明していて、植物の中のリグニンを分解する上で役割を演じていることを示す。

研究者たちはそれから、分子時計分析を使って酵素の進化を菌類の系統を通ってなぞった。この考えは、時計の針が文字盤の上を規定の割合で動くように、遺伝子はだいたい一定の割合で変異を蓄積する、というものだ。この変化率は、研究者たちが過去にさかのぼって、二つの系統が共通祖先を最後にいつ共有していたのかを、分岐の量に基づいて見積もることができるようにする。

この包括的分析はおよそ2億9000万年前の、まさに石炭紀の終わりに、リグニンを分解する能力がある白色腐朽菌類の祖先が出現したことを示した。その祖先より前には、菌類はその能力を持たず、植物物質の中のリグニンは劣化しなかった。それはこれらのリグニンを豊富に含む残滓が時間を経るごとに土壌の中に蓄積できるようにする。分子時計分析には本質的な誤差があるため、菌類の「化石」がカリブレーションに必要である。この研究では、分子時計分析は三つの菌類化石に対してカリブレートされた。ヒベットによると、化石が増えれば年代見積もりを向上する助けになるという。「不幸にも、菌類化石は稀で簡単に見過ごされてしまう」と彼は続けた。彼によると、彼のグループは祖先的な白色腐朽菌類のゲノムを復元する試みに興味を持っているという。「我々は、リグニン分解を担うこの代謝経路がいつ存在するようになったのかを理解したいと思っている。それは我々がこの研究で多くの菌類ゲノムを必要とした理由である。今、我々は包括的な菌類ゲノムプロジェクトを持っていて、数百もの菌類ゲノムがあるクールな時間に移行しようとしている」

オレゴン州立大学の教授で本研究の共著者のジョゼフ・スパタフォラは、このグループの研究結果が生物学と地質学の教科書を書き換えるという、ヒベットの評価に賛成する。「石炭鉱床の現象というこの特定の現象を見るとき、これまでは大多数の説明は無生物的で全体のストーリーのあるべき姿に見えなかった」と彼は話した。


写真: 白色腐朽菌類Fomitiporia mediterraneaによって腐朽されている材のSEM
(Robert Blanchette, University of Minnesota.

グリゴリエフによるとこの論文は、エネルギーと環境におけるDOEの関連ミッションの菌類ゲノムを解読する努力に焦点を当てた、DOE JGI包括プロジェクト、菌類ゲノム百科事典の最初の成果である。「この論文はその百科事典の第一章だ」と彼は話した。「生成されたデータはリグノセルロース分解酵素のこれまでで最も包括的なカタログを作っている。それは産業界が興味を持っているものだ。我々は今、非常に多様な系統を横断する全ての遺伝子の青写真を得ていて、今も得つづけている。これは大きな前進だ。次のマイルストーンは担子菌類の全体の多様性を完遂する1000菌類ゲノムプロジェクトだ」

DOE JGIの共同配列決定プログラムの一部である、1000菌類ゲノムプロジェクトの責任者としてスパタフォラは、5年にわたって、500科のそれぞれから2種を選び、1000種の菌類のゲノムの解読を促進するというゴールにもかかわらず、菌類のゲノム学はまだ先が長い。「150万種の菌類がいると推定されている」と彼は話した。「約100,000種には名前があり、我々はこのプロジェクトで1,000種の菌類を調べている。これは菌類の多様性を調べることにおいてまだ氷山の先端であり、菌類の代謝と、バイオエネルギーを含む、たくさんの応用に菌類を使う可能性についてのより良い考えを得るために、さらなる研究をしようとしている。それは菌類生物学における本当に刺激的な時間であり、その一部は今日の技術のおかげだ。本当に積年の疑問に取り組むことができる」

ヒベットによる「担子菌類におけるリグノセルロース腐朽機構の多様性についての進化的考え方」という2012年3月21日ののDOE共同ゲノム研究所第7回エネルギー環境ゲノミクス年回での発表は右サイトで見られる: http://bit.ly/JGI7Hibbett

DOE Joint Genome Institute, Press Release
Tracking the Remnants of the Carbon Cycle: How an Ancestral Fungus May Have Influenced Coal Formation
June 28, 2012

原論文
Dimitrios Floudas, et al.
The Paleozoic Origin of Enzymatic Lignin Decomposition Reconstructed from 31 Fungal Genomes
Science 29 June 2012: Vol. 336 no. 6089 pp. 1715-1719, DOI: 10.1126/science.1221748
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