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ネアンデルタール人と火山灰

ネアンデルタール人は火山灰に食い込まなかった

by Michael Balter on 23 July 2012, 3:05 PM


顕微鏡サイズのマーカー。40,000年前の火山噴火からの小さなガラス断片はネアンデルタール人が一掃されたのは現生人類との競争のためであり気候変動のためではないことを示す。Credit: Suzanne MacLachlan/BOSCORF/National Oceanography Centre, U.K.

約40,000年前、西に現在のナポリ(イタリア)を見下ろす大規模な火山噴火が中央および東ヨーロッパのほとんどを覆うように灰を降らせた。一部の研究者たちは、この超噴火が、同時期に北半球を襲った鋭い寒冷期と組み合わさって、ネアンデルタール人に「火山の冬」をもたらしたと提唱している。しかし爆発が残した火山ガラスの顕微鏡サイズの粒子の新しい研究は、噴火が起こったのはネアンデルタール人がすでにほとんどいなくなった後であり、彼らの絶滅の原因は現生人類との競争であると結論づけた。

ネアンデルタール人がなぜ絶滅したのかは考古学の最も長く交わされている議論の一つである。何年もにわたって、意見は気候変動、現生人類との競争、および両者の組み合わせの間を行ったり来たりしてきた。今年の初め、ヨーロッパのチームがカンパニア溶結凝灰岩(CI)と呼ばれる、イタリアの噴火が以前の見積もりより2倍から3倍大きかったことを確かめて、気候変動派が勢いづいた。研究者たちは噴火によって大気中へと放出された火山灰と化学物質エアロゾルが最大で3年間、北半球を2℃も冷やしたと計算した。

現生人類は噴火とネアンデルタール人の消滅があった時期とほぼ同時に、アフリカとたぶん中東からヨーロッパへと進入するのに、数千年の時間をかけた。このタイミングが重要だ。ネアンデルタール人が消滅し始めたのが噴火の前なら、それは彼らの絶滅の原因にはなれないだろう。彼らの消滅が噴火と同時か少し後なら、気候との関連は保持されるだろう。

これらの問題を念頭に、ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ(英国、エガム)のジョン・ロウが率いる、ヨーロッパ中からの40人以上の研究者たちのチームは、新しい技術を使って以前可能だった広さよりはるかに広い地域にわたって火山灰を検出した。新しい手法は、肉眼では見えない火山ガラスの小さな粒子である、クリプトテフラの堆積物による。より限定された範囲でしか見つからない可視の火山灰堆積物とは違い、はるかに軽いクリプトテフラは、広範な考古遺跡や海洋、湖、および沼地の環境にも入っていて、そこから回収できる。さらに、この顕微鏡サイズの粒子の化学組成を分析することによって、研究者たちはそれらを特定の火山噴火へと、今回の場合はCIへと、追跡できる。

チームはCIクリプトテフラを含む試料を、ネアンデルタール人と現生人類に典型的な石器と他の人工物が見つかっている、4つの中央ヨーロッパの洞窟から収集した。彼らはリビアにある現生人類の遺跡と、ギリシャとエーゲ海にある沼地と海成産地からもこの粒子を集めた。チームが今週のProceedings of the National Academy of Sciences誌にオンラインで発表された論文の中で主張した結果は、CIがネアンデルタール人絶滅の原因だとする仮説とは、少なくとも中央ヨーロッパでは、相容れないものだった。CIクリプトテフラは4つ全ての中央ヨーロッパの遺跡でネアンデルタール人から現生人類への石器型の移行の上に、すなわち後の時代に、あった。これは40,000年前の破局的イベントより前に、現生人類がネアンデルタール人と置き換わったことを示す。

さらに、沼地および海成堆積物からの樹木の花粉と他の気候指標の分析は、CIがハインリッヒ・イベントと呼ばれる鋭い寒冷期と同時だったことも確認した。このイベントもネアンデルタール人絶滅の原因としてしばしば引き合いに出される。だから、これらのデータは噴火と寒冷イベントがネアンデルタール人がすでに中央ヨーロッパから消滅した後に起こったことを示す。

「気候は恐らくネアンデルタール人絶滅への直接の原因ではなく、破局的イベントは間違いなく違う」と、共著者でサウサンプトン大学アヴェニューキャンパス(英国)の考古学者の、ウィリアム・デイヴィーズは話す。それは最有力な犯人として現生人類との競争を残す、とチームは強く主張する。

それでも、著者たちは彼らの結果が中央および恐らく東ヨーロッパにしか直接適用できないことを認める。ネアンデルタール人が少なくとも35,000年前までポルトガルとスペインに生き残っていたと一部の研究者たちが主張している、西ヨーロッパには当たらない。チームはそこまで西になるとクリプトテフラを見つけられていないため、「我々はCI後およびハインリッヒ後の…イベリア半島のような待避地における、ネアンデルタール人の生き残りの可能性を除外できない」と共著者で自然史博物館(ロンドン)のクリス・ストリンガーは話す。「しかし、彼らは物理的な絶滅に向かっていたのだから、いくら良くても非常に限られた生き残りしかいなかったはずだ」

チームの技術は噴火に新しい手がかりをもたらした、とジブラルタル博物館の遺産部門長のクライヴ・フィンレイソンは話す。彼はスペインの南端での、ジブラルタルの洞窟での発掘を率いている。そこではネアンデルタール人が30,000年前まで生き残っていたかもしれない。しかしネアンデルタール人絶滅の主要因として気候変動説を提唱するフィンレイソンは、今回の研究者たちがそれらの事例を証明していない、と話す。「我々はこの研究から噴火とそれに続く気候変動がすでに絶滅したネアンデルタール人に何の影響もなかったとしか結論できない。これらの結果を、長い時間をかけた過程だった、ネアンデルタール人絶滅を引き起こした他の原因と偽るのは、まったくのナンセンスだ」

元記事
Science NOW
Neandertals Didn't Bite the Volcanic Dust
by Michael Balter on 23 July 2012, 3:05 PM

原論文
John Lowe, et al. 2012.
Volcanic ash layers illuminate the resilience of Neanderthals and early modern humans to natural hazards
PNAS July 23, 2012, Published online before print July 23, 2012, doi: 10.1073/pnas.1204579109
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